第18回 毛髪ミネラル分析で健康チェックが簡単にできる。

質問
 先日テレビを見ていたら、ほんの一握りの毛髪で健康チェックができるという「毛髪分析」についてやっていました。予防医学の観点から病気になる前の検査が重要とのことですが、どのようなものなのでしょうか。脱毛防止にも役立つのでしょうか
(神奈川県 Y.G 三九歳)

回答
 私たちの体は約60兆の細胞からできていると言われています。この細胞を形成して生きていくためには、毎日食べ物を摂取しなければなりませんが、この毎日摂取する食品の種類や質、量、食べ方などにより健康状態は色々左右されるようになってきます。
 特に最近は食品の種類が豊富になり、食べたいものを食べたい時に食べたいだけ摂るというような人が増えています。これらの食品の中には味や見かけを良くしたり、腐敗を防ぐなどの目的で、いろいろな食品添加物が含まれています。
 現在厚生労働大臣が指定した添加物は338 品目、既存添加物は489 品目あり、普通の食事をしているだけで毎日60〜70種類も摂っていると報告されています。さらに魚介類中の水銀やカドミウム、果物や穀類中のヒ素や水銀、飲料水中の塩素や自動車の排気ガス中の鉛、各種薬品など、有害物質までもいつの間にか体内に入ってきています。
健康な人が病気になるまでの過程は、60兆細胞のレベルで生化学的なアンバランスが生じ、体を構成している組織の変化、器官の変化、自覚症状、徴候が現れ発病するという順序で進んでいきます。
 私たちが一般に病院などで臨床検査を受けるのは、兆候が現れているかどうかのチェックであり、病気を予防するための人間ドックでさえも器官の変化のチェックのレベルであると言われ、「毛髪分析」は根本の細胞レベルのミネラルバランスの変化をチェックできるもので、血液の10倍から100 倍も早く異常を察知することができるのです。
 私たちの体はもとを正せば色々な元素の集合体で、ほとんどが酸素、炭素、水素、窒素の4つで構成されており、これらが全体重の96.7%を占めています。水分や蛋白質、脂肪、糖分、ビタミンなどもこれらの4つからなりたっています。しかし実は、人間の生命活動にとってこれら以上に重要なのが、残りの3.3%を占める50種類ものミネラルなのです。
  ミネラルは体内で生成することが不可能 で、近年の土壌劣化により、食べ物の栄養素の減少により慢性的に不足傾向にある人が多いと言われています。かといって、たくさん摂取すればよいかというとそうではなく、ミネラルはもともと体内の構成比としては非常に微量な元素で、その必要量が非常に小さいため、過剰、欠乏の範囲がとても狭く、どちらにも陥りやすい傾向があるのです。つまり、 不足しても過剰であっても人体への悪影響は深刻な問題となる のです。たとえば亜鉛が不足の場合は脱毛が起こりますが、過剰摂取によっても銅などの不足を起こして脱毛が起こってくることがあるのです。さらに他のミネラルとの対比率なども重要です。そこで、体内のミネラルの量やバランスをチェックするのが「毛髪分析」で、わずか約0.2cの毛髪からチェックできるのです。
 現代の医学は治療から予防の時代にすすんでいると言われています。そのためには病変の起因をいち早く察知することや、摂取した色々な栄養素の行方を定期的にチェックして健康管理をすることが必要なのです。
(全理連中央講師 板羽忠徳)

参考資料
●毛髪ミネラル分析の結果の一部
私の分析結果の一部です。骨、髪は大丈夫ですが、筋肉、男性機能の衰えや動脈硬化などの徴候が現れています。25メートルプール満杯の水の中にゴマ粒一つを沈めたものを検出する位の精度で分析されます。
 検査キットに入れた毛髪を郵送すると、カルシウムや亜鉛などの必須ミネラル20種類や有害なミネラルの蓄積状況を測定。ミネラルのバランスから健康状態をチェックして適切な食事やサプリメント(栄養補助食品)がアドバイスされます。

[ご注意]
このWEBサイト上の文書、写真などの著作権はMINATO3710に帰属します。これらの著作物の全部または一部を「MINATO3710」の了解を得ずに複製、放送、有線送信、WEBサイト、講習などに使用することは著作権法で禁じられています。また肖像権などの侵害にもなりますのでご注意下さい。なお、板羽忠徳による著作物も同様です。



トップページに戻る

Copyright (C) 3710.co.jp All Rights Reserved.