髪様倶楽部

Q&A

髪や肌にはいろいろな悩みがあります。
E−mailで寄せられた質問や相談、MINATO3710毛髪相談室、一般誌、 新聞、業界誌、その他を通して私に寄せられた質問の一部です。
髪、肌、スタイリングなど一人で悩まず、メールや掲示板でご相談下さい。
回答は板羽忠徳が担当しています。

くすのにいつもいつも大変でした・・・。
んなに振り返られる位、かっこいいヘアスタイルをしてみたいと思います・・・。
らっとした輝く髪でビシッと決めてみたい・・・。
ずは、抜け毛が減ることを目標に・・・。
ろうしました。遺伝的に父親も祖父もみんな薄い家系なんだもの・・・。
くじゃありません。髪が薄いって悪いことしていないのに引け目を感じてしまうのです・・・。
ん通も、今やE−mailの時代。あなたの悩みを「3710髪様倶楽部」で解消しましょう。

Q 悩み・質問

まず最初に悩み事や相談したいことを探し、その番号に移動して下さい。



1

薄毛でそのうえ額が広いんです。こんな私にぴったりのヘアケア法&スタイリング法を教えて。
( リッキー )

2

若白髪で困っています。ヘアケア法と自宅での白髪染めの方法を教えて。
( ホット )

3

フケ症で困っています。ケアの方法を教えて。
( だんちゃん )

4

クセっ毛に悩んでいます。ケアの方法と対策法を教えて。
( カール )

5

髪の傷みが気になります。サイドの毛先には枝毛もあります。どうすればいい?
( ポッキー )

6

髪がベトベトしやすくて困っています。ヘアケア法を教えて。
( すずき )

7

頭の形がいびつなんです。私に似合うスタイリング法を教えて。
( リナ )

8

男性も眉を整える人が多いと聞きますが、どうすればよいか分かりません。
( まろ )

9

童顔に見られやすいです。眉の形やヘアスタイルでカバーする方法を教えて。
( アイドル )

10

カミソリ負けの防止の仕方教えて。
( さとし )

11

カミソリの剃りあとが青々しています。カバーの仕方を教えて
( ブルー )

12

毛穴の開きが気になります。手入れのコツを教えて。
( じんぼ )

13

腕毛、胸毛、ヘソ毛の処理の仕方を教えて。
( ばっちゃん)

14

現在七カ所ほど小さな脱毛があり、少しずつ広がっています。どうしたらいいの。
( りりあん )

15

鼻がテカテカしたり、黒ずんでいます。手入れのコツを教えて。
( ヒロりん )

16

肌がカサカサしています。手入れのコツを教えて。
(  ガッツ )

17

肌がアブラギッシュで困っています。手入れのコツを教えて。
( ほのじ )

18

シワっぽく老けて見られるんです。どうすればいいの?
( さよちゃん )

19

いつもまぶたがはれぼったく、そのうえ目が充血しています。手入れのコツを教えて。
( ぴか)

20

唇がカサカサ、ひび割れやすいのですが、どうしたらいいの。
( リップちゃん )

21

カミソリ負けですぐ肌が赤くなってしまいます。どうしたらいいの。
( けんじ )

22

ヒゲ剃り跡が青々とします。なんとかなりませんか。
( ブルーシャドー )

23

最近抜け毛が多く、育毛剤を使おうかと思いますが、いろいろあって迷ってしまいます。
自然治癒力みたいなものを利用して髪の毛を保つような方法はありますか。また会社などで人知れずに手入れができるような方法があったら教えて下さい。
( 斉藤 )

24

シャンプーをしてもすぐにカユクなってしまいます。どうして。
( ポリポリ )

25

ブラシと静電気による脱毛について対策法を教えて。
( マリアン )
 

26

左眉に白く節のついた眉毛が数本有りました。前髪の毛先にも数本有りました。ある雑誌に節の有る毛や、弱々しく折れそうな抜け毛が出たらハゲの危険信号だと書いてありました。なぜこのような症状が起こるのか、また対策を教えて下さい。
( 池田 )

27

中学三年の娘を持つ母親ですが、娘は中二の初め頃から毎日シャンプーする癖がついてしまって困っています。 冬の風邪をひいた時でも風呂には入らないで、シャンプーだけはかかさずにやっているのです。  シャンプーをしないと髪がべとついて、変な臭いがするからだと言うのですが、臭いをかいでみても別に変な臭いはしていません。 最近は髪の色も赤っぽくなってきているようです。このまま放っておいても良いものでしょうか。シャンプー剤の良し悪しや、シャンプーの仕方について娘へのアドバイスをお願い致します。
( ・・・・・・・ )

28

ロン毛にしたくて髪を伸ばしているのですが、枝毛が気になるんです。こまのまま伸ばし続けてもいいの?
( ミュージシャン )

29

髪をブリーチしたら、ブラッシングのたびに髪がパラパラと途中から切れちゃうんです。どうして? どうしたら髪が切れなくなりますか?
( ほんとにこまったちゃん )

30

ミディアムヘアのぼく。サイドの髪がすぐ前にたれてきちゃう。きれいに、しっかり、流れるブローを知りたい。
( キララ )

31

ブリーチしたら超パサつくの!! 今すぐしっとりさせるにはどうしたらいいの?うえからカラーリングしたら落ちつくの?
( ゆか )
   

32

増毛法の広告やCMが以前にも増して多くなっているようですが、増毛法というのはどのようにして毛を増やしているのでしょうか教えて下さい。
( ふしぎ )
  

33

中二の息子のことでお尋ね致します。髪の色が普通の人に較べると明るく、前髪は金髪のようになっています、私の髪も昔から普通より明るい方ですので担任の先生には話してありますが、他の先生には脱色しているのではないかと疑われ困っています。3歳から12歳まで週2回、中学生になってから毎日約1年間スイミングに通い、現在は部活のサッカーが忙しくて休んでいます。髪の毛をお送りしますので検査のうえ、染めたり脱色をしていない旨の証明書を書いて頂けませんでしょうか。
( ・・・・・・・・・枝 )

34

夏の間はベトついた肌でしたが、秋風とともに肌がカサつくようになってきました。
冬になるとカサつきはもっとひどくなり、白っぽく粉がふいたようになってしまいます。特に洗顔をした後などは突っ張って荒れやすくなってしまうので困ります。今からどの様に肌の手入れをしておけば良いか教えて下さい。
( しろこさん )

35

髪が思い通りにならないんだけど、髪質とスタイリングのしやすさは関係あるの?
( ぺぺ )

36

どのような人がハゲになりやすいの。
( じゃらんQQ )

37

最近の男性週刊誌などの毛髪関係の広告は、カツラや養毛剤を初め色々ありますが、これらの現状と実際の効果などはどうなのでしょうか。育毛剤はつけ始めた頃は髪が濃くなってきたような気がしたのですが、最近は変化が無いように思えます。 やはり発毛ということは無理なのでしょうか。
( H.K )

38

白髪染をすると毛髪は少なくなっていきますか。
( T.T雄 )

39

毎日洗髪するのがいいと言われますが、デメリットはないのでしょうか。
( ジミー )

40

2度洗いと1度洗いの洗浄率の差はどれくらいですか。毎日なら1度洗いでいい。
( G.E )

41

シャンプーの種類と選び方のポイントは?
( GOO )

42

シャンプー剤の良否について教えて。
( はねうさぎ )

43

リンス剤、トリートメント剤の種類と選び方について教えて。
( GOO )

44

頭皮の構造について教えて。
( 理容師の卵 )

45

頭皮の質について教えて。
( 理容師の卵 )

46

整髪料の分類とその効果について教えて。
( 理容師の卵 )

47

パーマ液の種類と料金の関係、パーマネント・ウエーブ用剤の種類について教えて。 
(???)


A アドバイス


1.薄毛でそのうえ額が広いんです。こんな私にぴったりのヘアケア法&スタイリング法を教えて。
( リッキー )
 髪が薄くなるのは数が減ったからでなく、軟毛化が起こっていることによるもので、加齢や間違った手入れや食生活などにより、ヘアサイクルが短くなり、抜け変わる髪の毛が多くなり、次第に細くなってきたためなのです。手入れとしては、気にするあまり、抜けることを気にしすぎて洗わない人や、そーっと洗う人がいますが、これらはどちらもNG。不潔にすると頭皮が汚れ、正常な髪の発育を妨げてしまいます。頭皮をゆり動かすような正しいシャンプーによって清潔にすることが大切です。また育毛剤を使い、頭皮の血行を良くしたり、ホルモンのバランスを調整したり、毛乳頭の働きを活発にさせることが大切です。
 スタイリングとしては、もともとおでこが広いのであれば、むしろ隠さずに強調して理知的な面を感じさせてみるのもよいでしょう。ハゲてきておでこが広いというのであれば、額はカバーした方がよいでしょう。この場合、そのままバングしてしまうとかえって髪の薄さや額の広さを感じさせてしまうので、前髪とトップの髪の根元の部分にボディアップムースやハードムースを使ってボリュームをつけるようにするとよいです。
生え際のラインと額を一部隠した位置にヘアターバンを使うのも、スッキリ感と額の広さを感じさせなくなってきます。
2.若白髪で困っています。ヘアケア法と自宅での白髪染めの方法を教えて。
( ホット )
 白髪を目立たなくする製品には、カラーシャンプー、カラーリンス(普通のシャンプー、リンスと同じように使っていると、次第に着色してめだたなくなってきます)やカラートリートメントなどがありますので、これらを使ってみるのもよいでしょう。白髪を目立たなくすることや、きれいに見せることができます。
 現在市販されている染毛剤は、昔のものに比べると髪を傷めたりカブレなどは少なくなっていますが、全く無いというわけではなく、体調の悪い時に染めるとひどいカブレに悩まされることがあります。髪の傷みに関しては注意書どおりにやればほとんど大丈夫ですが、カブレを引き起こさないためにパッチテスト(やり方は説明書に書いてあります)を毎回行って安全を確認してから行わなければなりません。(通常は最初はカブレませんが、3〜4回目頃と11回目頃が最もカブレやすくなります。また何回染めても大丈夫な人もいます。)
 染め方は説明書どおりに調合し、地肌になるべくつけないように塗布し、染めている時間や温度を守ることが大切です。染めた後は地肌についた薬剤を完全に落としておかなければなりません。
 髪の傷みは染毛剤そのものよりもアフターケアをきちんとやっているかどうかで変わります。トリートメント剤やヘアクリームなどで必ず保護しておきましょう。
3.フケ症で困っています。ケアの方法を教えて。
( だんちゃん )
 がんこなフケ症は体質的なこともありますが、一般的には清潔にすることが大切です。シャンプーの時、微生物の繁殖を抑える殺菌効果のあるジンクピリチオン(Z−pt)やオクトピックスや、角質溶解作用のある二硫化セレンなどの配合された薬用シャンプーを使うと効果的です。頭部は髪の毛が密集して生えていることと、皮脂腺や汗腺が多いためムレやすく、微生物が繁殖しやすくなっているのです。微生物による皮脂分解物が刺激となり、頭皮の基底細胞の分裂が早まってフケの増加につながります。
 頭の皮膚に赤味があり、ブツブツができていたり、カユミを伴っているような場合は皮膚科や薬剤師に相談して、副腎皮質ホルモンの入ったローションやスプレーを塗布しておきましょう。化膿をともなっているような場合は抗生物質軟膏や副腎皮質ホルモンと抗生物質の入った薬剤を使うこともあります。
4.クセっ毛に悩んでいます。ケアの方法と対策法を教えて。
( カール )
 自分が好きなスタイルにちょうどよいというクセ毛の場合もありますが、強いクセ毛の場合は、雨の日に広がってしまったり、表面がザラザラしてツヤがないように見えたり、バサバサしてまとめにくいなど悩みも多くなってしまいます。
ストレートパーマや縮毛矯正法などである程度直毛にすることはできますが、生えてくる毛質まで変えるというように本質的には髪質を変えてしまうことはまだできません。(縮毛矯正法を見る時はここをクリック
 クセが強くてバサバサした髪には、毛髪の吸湿性を増加させることにより弾力を低下させ、しなやかにさせる「ワンツーワン・ストレート」のようなコンディショニング剤や、柔軟性を高めしっとりさせるヒアルロン酸やプロピレングリコールなどの保湿剤配合のものが効果的です。
5.髪の傷みが気になります。サイドの毛先には枝毛もあります。どうすればいい?
( ポッキー )
 髪が傷むには必ずその原因があります。パーマやヘアカラーのように明らかに損傷の原因にあげられるようなものもありますが、シャンプーやブラッシングでもかなり傷めてしまいます。ゴシゴシ洗ったり無理なブラッシングをするとキューティクルが剥がれたり、傷ついて傷んでしまうのです。
 まず原因となるものを止めるか避けるようにすることが先決ですが、傷んでしまったものは原因を除去しても回復はしませんので、これ以上損傷を増加させないためと症状を改善するために、マイルドな弱酸性タイプのシャンプーで洗い、プロティン成分やファイバーを基材としたリンス、コンディショナー、トリートメントなどを使い髪を保護しておくようにします。
 傷んでしまって枝毛などが発生しているような場合は、これ以上進行させないために枝毛の部分や毛先をカットしておかなければなりません。
6.髪がベトベトしやすくて困っています。ヘアケア法を教えて。
( すずき )
 新陳代謝の盛んな思春期は皮脂の分泌量も多く、そのため髪や頭皮がベタつきやすくなってきます。皮脂の分泌が体質的に多い脂性肌が原因しています。
 対策としては、頭皮を常に清潔に保つためと皮脂を除去するために、オイルコントロール効果のある脱脂力の強い弱酸性のシャンプー剤を使い、髪を洗うというより、地肌をマッサージをする要領で洗います。 一度洗い流し、もう一度最初の量の半分位のシャンプー剤を使って頭皮を動かすように充分にマッサージをし、そのまま5分間位置いてからきれいに洗い流します。
 リンスなどは地肌につけないようにし、充分に地肌を洗い流しておきます。皮脂の分泌をおさえるために女性ホルモンやピリドキシンなどの含まれているトニックでマッサージしておきましょう。それでもダメな場合は、一日に二度洗うか、ショートヘアにし、皮膚科の医師に相談して下さい。
7.頭の形がいびつなんです。私に似合うスタイリング法を教えて。
( リナ )
 いびつといってもどういうタイプか分かりません。いくつかあげておきますので参考にして下さい。
絶壁タイプ
 頭の形として後頭部が欠損しているタイプ。欠損部分にボリュームをもたせカバーすることが必要です。後頭部の欠損のバランスをとるために、前頭部に高さの頂点をおくようにします。パートラインを入れる場合、奥行きを深く見せるために長くします。後頭部は刈り上げてすっきりさせて立体感を出すようにします。
凸凹タイプ
 頭の形が凸凹している人が絶対にやってはいけないスタイルは、ベリーショートやボウズ、スキンヘッドなどのショートスタイルです。これら以外なら顔の形に合わせてスタイリングしたり、パーマでボリュームつけたり、ドレッドなど個性的なスタイルもOK!
ハチが大きい
 このタイプの顔の形は、額の幅が広く、両顎の線が狭い状態で、この場合はトップにボリュームをつけて大きめなバング(前髪を下げること)を両方に下ろして額をカバーして狭く見せます。頭の一番ハチの張っている部分をぴったりとつけ、下部にボリュームを多くしましょう。
ハチの張っているところまでツーブロックし、サイドのボリュームをおさえて下部にボリュームをもたせるようなスタイルにするのもよいです。
三角おむすび型
 このタイプの顔の形は、額が狭く、下ぶくれになっているのが特徴で、この場合は上部に幅をもたせると、下部が狭く見えるようなります。横の線を強調したバングまたは額の狭さを隠す大きなバングにします。耳の後ろにボリュームをもたせるようなスタイルは避け、もみあげを少し長めにして頬の広がりをカバーします。
8.男性も眉を整える人が多いと言いますが、どうすればよいか分かりません。
( まろ )
 眉はメイクアップ全体のなかでも重要な役割をになっています。眉のバランスを整えることにより、印象がガラリと変わって見えるようになります。
ボサボサしている
 太い眉はたくましさ、力強さを感じさせてくれますが、手入れをしていない眉は、ゲジゲジ眉として嫌われてしまいます。眉専用のアイブローシザーズやアイブローブラシ&コームを用意してカットし、余分な毛はアイブローニッパーズで抜いたり、カミソリ(レーザー)で剃ってスッキリさせましょう。
 まず、毛流れが一定かどうかをブラシでとかして確認します。また、眉の位置はほとんど
の人が顔の左右で高さが違っていますので、高い方の眉がどちらかを確認しておきます。低い眉は高くすることができませんので、高い方の眉からカットを始めます。
 眉頭から3分の2の眉山の位置を決めたら毛先をカットして整えます。少し多めにカットして眉を低く見えるようにしてバランスをとりながら形を整えます。次に眉の下側のカットを行います。こちらは眉の低い方を先に根元側から一本ずつカットして形を整えていきます。左右の眉のバランスを見ながら微調整を行いながらスッキリさせましょう。
 眉間がつながっている
 日本人の場合、眉がつながっていると一本眉で男らしいなどと言いますが、トルコの女性の場合は、ハゲは男らしくて気にならないが、眉がつながっていると、身ぶるいするほどイヤだといいます。そんな人に「眉の間を剃ったら」と言うと、「よけいなお世話」と怒られてしまいます。
 気になるキミの場合は、一時的な方法ですが、毛抜きで一本ずつ生えている方向から抜いて整えるか、理容室で剃ってもらって顔型に合うように形を整えてもらいましょう。ある程度持続させるためには美容整形外科か皮膚科で電気分解法で除去してもらいましょう。
 薄い
 眉全体が薄い人がいますが、よく相談を受けるのは、眉頭は普通にあるのに、眉の中心から眉尻にかけて薄い人で、この場合はホルモンの影響で、眉の内側三分の二はホルモンの作用を受けませんが、外側の三分の一は甲状腺ホルモンの影響を受け、濃くも薄くもなります。もし、眉の外側が急に薄くなったような場合、甲状腺ホルモンの異常が考えられますので、医師の診察を受けて下さい。生まれつき薄い場合は甲状腺ホルモンや男性ホルモンの配合された軟膏を根気よく使います。なお、薄いからといって眉ずみを使っていると、かえって毛を抜けやすくしてしまうことがありますので、ペンシルでゴシゴシ毛をこすると、かえって薄くなってしまうことがありますので気をつけなければなりません。
9.童顔に見られやすいです。眉の形やヘアスタイルでカバーする方法を教えて。
( アイドル )
 形や大きさが同じでも、そのまわりの状況が変化すると違って見えるようになります。
 目と眉の場合も、目がクリクリとして大きく見えると童顔見えます。対比の錯覚を利用し、眉の長さを変えることにより、瞳の印象が変わります。眉が短いと目が大きく見え、童顔に見えます。眉が長くなると小さく見えるので大人っぽく見えるようになります。
  同じ顔でも眉の形によって顔の長さの印象が変わります。ふっくらとした顔やこじんまりとした鼻は童顔に見えてしまいます。すっきり見せるにはやはり錯覚を利用します。眉の形を眉尻を上昇気味にすることにより、頬がすっきりと見え、鼻も長く見えるようになり、眉尻を下げると童顔に見えるようになります。
ヘアスタイル
 ヘアスタイルの場合は、前髪の流し方(ムーブマン)で変化させます。前髪を下ろし、顔をカバーすると若く見えたり、童顔に見えるようになります。反対に額を出すようにしたり、オールバックのスタイルにすると老けて見えたり、大人っぽく見えるようになります。
10.カミソリ負けの防止の仕方
( さとし )
 ひげ剃り後、毛穴の部分が化膿する症状をカミソリかぶれといいますが、一種の化膿症で、カミソリで表皮を傷つけ、そこに細菌が入って化膿するかぶれと、使用したシェービングソープやクリームなどが肌に合わなくてかぶれが起こり、引続きカミソリ負けということもあります。一度かぶれるようになると、非常に治りにくく、化膿しやすくなってしまいます。
 予防法としては、なるべく逆剃りをしないこと。もし剃った後に異常を感じた場合はフルコートFなどを塗布しておきます。ただし長期の使用は避け、長くても一週間以上の連用は避けるようにします。レバー、牛乳、ヨーグルト、納豆、八目うなぎ、海苔などビタミンBを多く摂取するようにしましょう。
 症状が改善するまでは電気カミソリを使用するようにしましょう。
11.カミソリの剃りあとが青々しています。カバーの仕方を教えて
( ブルー )
 通常のシェービング後のお手入れをしたら、ファウンデーション(肌づくり)化粧品を使ってメークアップをします。ファウンデーション化粧品には、透明感と自然なつやがあり、素肌感覚に仕上がるリキッド、さらっと軽く仕上がり、手早くできて簡単なパウダー、適度なカバー力があり、薄くすることも厚くすることも自由自在なスティック、しみ、そばかす、くまなどをカバーする部分用など、色々なタイプのものがあります。
 色調も赤味のあるピンク系から、ピンクオークル系、オークル系、ベージュオークル系、黄味のベージュ系など色々ありますが、男性の場合は首の色を見て、中間のオークル系のやや濃い肌色のものを選ぶとよいでしょう。
 中指と薬指を使い、リキッドタイプのファウンデーションを指で頬や額などの広い部分からのばしていきます。目、口、小鼻の周りは指先を立てるようにしてていねいに馴染ませ、スポンジでムラがないように全体にのばします。次にファウンデーションの油分を適度におさえ、化粧持ちをよくし、肌に透明感を与えるために、パフにパウダーをなじませて全体をおさえてから、フェースブラシで余分な粉を払えば透明感のある肌に見えるようになります。
12.毛穴の開きが気になります。手入れのコツを教えて。
( じんぼ )
 拡大した毛穴は、毛包が開いた状態で、ほとんど目に見えないうぶ毛とやや大きい皮脂線が目立つ状態で、洗顔のやり過ぎや、毛穴パックのやり過ぎなどにより、皮脂が取り除かれて毛穴が開き過ぎてしまうと、かえって肌のキメが荒くなったり、皮脂膜の形成が阻害され、雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。このような肌の人のお手入れは、通称アミノ酸石けんと言っている無刺激の微酸性洗顔料でやさしく洗うようにします。洗顔後はアルコールを含むアストリンゼント製品を使用すれば、毛穴をあまり目立たなくしてくれます。リキッド・ベースのメークアップ製品を慎重に選んで使えば拡大した毛穴を隠すのに役立てることができます。
 一度大きくなってしまった毛穴を小さくすることは難しく、メディカルなケアとして低周波で毛穴を小さくすることはある程度可能ですので、気になる時は専門家にまかせましょう。
13.腕毛、胸毛、ヘソ毛の処理の仕方を教えて。
( ばっちゃん )
 ムダ毛の処理方法として、カミソリで剃ったり、ハサミで切ったり、毛抜きや脱毛テープなどで抜いたり、除毛剤で毛を溶かしたり、脱色剤で色を抜いて目立たなくしたり、電気分解で脱毛したりというようにいろいろな方法があります。肌はそれぞれの部分で性質や敏感度などが違うため、一つの方法だけですべてに対応できるというものではありません。腕や足の皮膚は比較的丈夫なところなので、脱毛テープを貼って、毛の流れと逆方向に毛根から一気に剥してしまいます。あるいは除毛ゼリーやクリーム、ムースなどをムダ毛にムラなくたっぷり塗って、しばらく時間をおいてから、肌に残さないようによく洗い流します。もし脱毛がイヤならば、腕、足用の脱色剤でブリーチをするとよいでしょう。使用に際しては説明書をよく読んで正しく行ってください。
胸毛やヘソ毛は皮膚のなかではデリケートな部分なため、脱毛テープや除毛クリームなどはダメで、まずハサミで短めにカットしておいて、その後カミソリでていねいに剃りましょう。乳首の毛は毛抜きで一本一本抜いておきましょう。
脱毛や除毛、ブリーチをした後は、肌は敏感になっていますので、よく洗い流したら軟らかいタオルで拭いて肌を休ませてから、保湿効果の高いローションやクリームなどでうるおいを与えておきましょう。
14.現在七カ所ほど小さな脱毛があり、少しずつ広がっています。どうしたらいいの。
( りりあん )
 まず現在の脱毛がどのようなタイプのものかですが、病院での病名が不明ですので、同封の毛髪についてその毛根を形態学的に観察した結果に基づいてアドバイス致します。
 毛根の形態は毛根が極端に萎縮して細くなって尖っているものや、毛根(毛球部)が無く繊維がバラバラになって切れているものや、萎縮した毛根部の先端に小さな毛球がついている感嘆符(!)の形状のものばかりでしたので、「円形脱毛症」にかかっているものと考えられます。
 一、二個程度の単発タイプではなく、多発性続発円形脱毛症のタイプですので、この場合はハゲがくっつき合って頭全体に広がって全頭脱毛症になってしまうことがありますので注意が必要です。
 この脱毛症の原因については細菌説、栄養説、中毒説、ホルモン説、自己免疫説、神経説など色々言われていますが、「良く分からない」というのが実状です。
 昔は梅毒による脱毛を円形脱毛と間違ったこともありましたが、現在では細菌説は否定されています。また円形脱毛は次々と増えたり広がったりすることや、親子、兄弟、双生児に発生するため遺伝や伝染すると思われたようですが、この場合でも体質が似ているということであって、現在では自律神経の失調や自己免疫障害などが誘引ではないかとされ、他人に伝染するという恐れは全くありませんので、その点は心配ありません。
 円形脱毛症で毛髪相談に来られる人たちのパターンとして、会社などの経営上の問題や、倒産、受験、入学、転校、複雑な対人関係、妊娠、出産などの問題をかかえている人や、神経症の人も多く、性格的には非常に真面目で神経質な人が多く、中には小さな脱毛ができたのでそれが気になり、二次的なストレスを誘発して全頭脱毛にまで発展した人もいました。
 病院などで治療を受けていても抜け毛はすぐに止まるわけでなく、効果が現れず、かえって悪化したりするため、医療に対して不信感を持って途中で諦めてしまうようになりがちですが、病院での治療は今後も続けると同時に精神的な悩みも解消するようにして下さい。
 脱毛の手当で一番大切なことは血行を良くすることですが、まず石油系合成界面活性剤の含まれていないルイザプロハンナシャンプーなどのシャンプー剤で頭皮をもみほぐすようにマッサージシャンプーをし、次にルイザプロハンナヘアトニックやダーバオなどの育毛剤を使って首筋から頭全体のマッサージを行います。この脱毛症は左肩がコルという特徴がありますので、特に肩を良くもんでコリをほぐしておくことや、スチーマーや遠赤外線などで育毛剤の効果を高めるとともにリラックスすることは病院では出来ない手当法ですので、効果の面でも上っていますのでお試し下さい。 (円形脱毛症の回復実例を見たい人はここをクリック
 最後に糖尿病、胃潰瘍、甲状腺機能異常や、女性の場合は婦人科的な疾患などが原因していることもありますので、こちらの検査も受けてみる事も良いと思います。 (円形脱毛症など手入れを見たい人はここをクリック
15.鼻がテカテカしたり、黒ずんでいます。手入れのコツを教えて。
( ヒロりん )
 普通に洗顔しただけでは落ちないような場合は、ブラシ洗顔をしてみましょう。最近は肌を傷めるからと敬遠されていますが、特別に汚れを感じた日や、周期的なスペシャルケアの日に使うとよいでしょう。ブラシ洗顔は絶対にゴシゴシ洗いをしないことと、使用後のブラシを湿ったままにしておくと雑菌がつくので、時々太陽に当てて乾燥させることが大切です。
 最近は絹100%の洗顔パフや天然の海綿などもありますので、これらを使って洗顔するのも効果的です。頑固な黒いポツポツに皮脂とりシートや毛穴パックを使う「部分パック」もお勧めです。粘着力はガムテープ並の強さがあり、小鼻は皮膚も厚く、脂っぽいのでペタンと貼ってから剥がすと、シートの裏には取れた角栓や脂栓が点々とくっついてきますので、取れたという実感があります。ただし頬の部分などをやってカブレた人も多いので注意しましょう。やりすぎると「皮膚ダニ」が繁殖しやすくなることがありますので、ダニ対策用の化粧品の使用をおすすめします。
16.肌がカサカサしています。手入れのコツを教えて。
(  ガッツ )
 汗腺や脂腺の働きが弱まり、皮膚表面の皮脂膜(脂肪膜)形成能力が悪いと、肌は乾燥してカサカサになってしまいます。原因は寒風、寒気、エアコンなどの他に洗剤の使い過ぎ、遺伝的な体質などによりますが、対策としてはできるだけ刺激の少ない洗顔料で洗い、充分にすすぎ流しておきます。この時にお湯を使うと、あとでかえってカサカサしてきますのでねるま湯を用いるようにしましょう。乾燥した肌には保湿成分がたっぷり含まれたローションでアフターケアをしましょう。頬や口の周りのように乾燥しやすいところには保湿剤配合の乳液やクリームをつけておきましょう。
17.肌がアブラギッシュで困っています。手入れのコツを教えて。
( ほのじ )
 洗顔が基本で、皮脂をしっかり落とすタイプの石けんや洗顔料を選びます。まず洗顔前に手をしっかり洗い、清潔にしましょう。ぬるま湯で予備洗いをしてから石けんや洗顔料をよく泡立たてて、額から鼻すじのTゾーンを小さく外側に円を描くようにやさしく洗います。小鼻の周りは指先でていねいに洗います。必要以上にゴシゴシ擦って洗うと、皮膚を傷つける原因になるので注意しましょう。部分洗いが終わったら全体に円を描くようにしっかり洗います。すすぎはぬるま湯をたっぷり使ってヌルヌルが無くなるまで充分にゆすぎましょう。最後は冷水で引き締めます。拭き取りはタオルで軽く押さえるようにして水分を拭き取ります。洗顔後はアストリンゼントローションで毛穴を引き締めて皮脂の分泌を抑えるようにします。
 皮脂の分泌が特に多い人は、できれば1日2、3回は洗顔したいものです。
 食生活では、油っこいものや甘いものを避け、緑黄色野菜を中心にビタミンBを多めにとるようにしましょう。
18.シワっぽく老けて見られるんです。どうすればいいの?
( さよちゃん )
 一般に乾燥しやすく皮膚の薄い部分の目尻や口もとに小ジワができやすくなります。体質的に神経質な人は、額のように表情筋の伸縮が活発なところにシワができやすくなります。疲労、心痛、睡眠不足なども原因したり、蛋白質の不足や、糖分の過剰摂取、タバコの吸い過ぎ(タバコによるシワをスモーカーフェィスといいます)などもシワの原因になってしまいます。これらの結果、皮膚の萎縮、皮下脂肪の減少、真皮中の弾力繊維の断裂などによりシワが発生するのです。
 対策としては、原因の除去の他に、グリセリン、アミノ酸、乳酸ナトリウム、ピロリドン・カルボン酸ソーダ(PCA)など保湿剤の配合されたモイスチャーローションを使用するとよいでしょう。
19.いつもまぶたがはれぼったく、そのうえ目が充血しています。手入れのコツを教えて。
( ぴか)
 寝不足など一時的なものは心配ありませんが、急性腎炎その他の全身性の病気からくるものは厄介です。かぜ、急性へん桃炎などの後で、だるい、食欲が無いなどの症状を伴うような場合は、特に急性腎炎の疑いがあります。このような時は早めに医師による診断を受けるようにして下さい。また、麦粒腫(ものもらい)のときもはれぼったくなることがあります。
 はれぼったい目元をスッキリ見えるようにさせるなら、眉を直線的に整え、眉山をなるべく低くすることです。細くしたり、眉山がはっきりするアーチ型にするとますますはれぼったく見えてしまいます。
目の充血も寝不足など一時的なもので、目やにや視力低下もなく、ぐっすり眠ればとれるものであれば心配ありません。もし気になるならば眼科での診断を受け、血管収縮剤が配合された目薬をさしておいてみて下さい。また、冷たいタオルを目の上に当てるのもスッキリします。目の充血は結膜炎やベーチェット病によるブドウ膜炎などの眼科の病気もありますので、異常を感じるなら必ず検査、治療を受けてください。
20.唇がカサカサ、ひび割れやすいのですが、どうしたらいいの。
( リップちゃん )
 唇が荒れてくる原因は、風邪をひいた時や、胃腸の具合が悪い時、熱を出した時、化膿止めの薬を飲んでいたり、口紅や歯磨きを変えたり、急に日焼けをした時などに起こります。その他に布団や毛布をかぶって寝るくせのある人に唇が荒れることがあります。ビタミンBが不足する(リボフラビン。レバー、酵母、卵、麦芽、牛乳、貝類、チーズ、なっとう、緑色野菜など)と唇に荒れやすい状態をつくりやすくなりますので、Bの錠剤を飲んだり食事内容にも気をつけましょう。一般的な対策ですが、いつも清潔にしておくことと、唇を乾かすことがよくありません。蜂蜜、リップクリーム、チョコラザーネなどをつけておくと良いです。
21.カミソリ負けですぐ肌が赤くなってしまいます。どうしたらいいの。
( けんじ )
 カミソリ負けを放っておくと、乾燥がひどくなり、肌が赤くなってヒリヒリと痛くなってきます。この状態は軽い擦傷と同じですので、殺菌、消毒効果のある軟膏(オロナインH軟膏、オードムーゲHなど)や抗生物質の軟膏を塗布しておきましょう
赤くなっているとはいえ、湿疹などの炎症ではないのでステロイド剤は避けなければなりません。出血が止まらなかったり、痛みが強い場合は皮膚科か薬剤師に相談しましょう。
22.ヒゲ剃り跡が青々とします。なんとかなりませんか。
( ブルーシャドー )
 ヒゲが濃いため剃り跡が青々するからといって、永久脱毛をしたいという相談を受けることがあります。顔の場合は電気分解による方法はおすすめできません。電気分解法は毛根に火傷を起こさせているようなもので、毛穴の部分に白い斑点のような火傷跡を残すことがあるのです。だからといって電気を弱くかけると、毛根が壊れずに再び毛が生えてくることが多いのです。電気凝固法についても同じようなことがいえます。特に男性の濃いヒゲに永久脱毛をするのは無理なのです。
 ヒゲを十分に蒸して、軟らかくしておいて、肌を傷めないようにヒゲの流れに沿ってていねいに一回剃りを行い、再び蒸して、皮膚を引っ張るようにしてヒゲを起こして逆剃りを行います。深剃りが十分に行われれば、ヒゲは毛穴の中に陥没しますので、普通に剃ったのより青々さは無くなります。伸びてくると再び青々としてきますので、朝剃ったなら、夕方もう一度剃れば、目立たない状態でいられます。もちろんアフターシェーブローションやクリームなどで肌の手入れは十分にしておかなければなりません。
23.最近抜け毛が多く、育毛剤を使おうかと思いますが、いろいろあって迷ってしまいます。
 自然治癒力みたいなものを利用して髪の毛を保つような方法はありますか。また会社などで人知れずに手入れができるような方法があったら教えて下さい。
( 斉藤 )
 テレビのCMでも新聞・雑誌の広告でも育毛剤・発毛剤の宣伝を見かけない日は無いといっていいくらい、さまざまな育毛剤・発毛剤が出されています。髪の毛が気になる人は、どれを使おうか、迷ってしまうのも当然です。
 でも、知っておいてほしいことがあります。それは、どんな育毛剤を使っても、使い方が悪ければまったく効果が現れないこともあるのです。
 どんな育毛剤・発毛剤も、つけさえすれば髪が生えて来るような魔法の薬ではありません。毛穴の皮脂を取り除いて浸透させ、薬剤の効果を利用してあくまでも自分自身の髪の「生えてくる力」を助けるものなのです。
 自分自身の生理機能を高めるための手軽な方法としては「ツボ刺激」で、指圧などでツボそのものを刺激したり、シャンプー中にツボを刺激をすることにより頭皮の機能を高め、抜け毛を防ぐとともに、髪の発育をはかります。
 ツボは簡単に言うと体の表面のある部分と、体の内部がどのように関連し合っているかを経験的に突き止めたもので、体の表面のある部分に刺激を与えると、内蔵の病気に効いたり、逆に内蔵に変化が起こると体のツボに変化が表れます。そのため、全身のいろいろな症状にツボが用いられますが、特に髪や脱毛に有効なツボとしては、まず頭頂部にある百会、ぼんのくぼの両脇にある天柱、風池のツボで、こうしたツボを刺激することで、脳下垂体の働きが活発になり、ホルモンの分泌がよくなったり、自律神経の乱れを抑え、頭皮や首の血行がよくなることから髪の発育に良い影響があります。
 ストレスが原因している円形脱毛症にも、こうしたツボ刺激のリラックス効果は有効です。
 シャンプー中にツボ刺激を行うには、刺激の少ないシャンプーで泡立て、まず両手の指を組むようにして、親指の先で風池、天柱を押すようにして刺激を与え、そのまま両手の平で頭頂部の百会に向けて頭皮をもみ上げるようにしながら洗います。
 自分の手や指で行うのが面倒だという人は、ウッドブラシを用いて叩いたり、押したり、ブラッシングといった刺激を行います。
 こうしたツボ刺激は普段から習慣づけておくことが大切で、たとえばデスクワークのちょっとした時間に、椅子の背にもたれて後ろに反り返り、腰の部分にある腎@、志室などを刺激したり、ブラスチックの物差しで頭皮をペタペタ叩いたり、ボールペンなどのノックのバネを利用してツボを押すのもさりげなくできますので、習慣にしてみて下さい。
 一方、足にも髪の毛のためのツボがあります。足の内側くるぶしから膝の内側にかけての腎経のツボで、水泉、大鐘、交信、築賓、陰谷の五つのツボは体力を高め、髪の力を高めて艶を良くしますので、浴用ブラシやたわし、スポンジ、あかすりタオルなどで入浴時によくこすり上げて下さい。
24.シャンプーをしてもすぐにカユクなってしまいます。どうして。
( ポリポリ )
 カユミというのは、気にしだすとたまらなくカユクなって、ポリポリ、カリカリと、まるで狂気のごとく頭をかきむしる人がいますが、このようなカユミはフケとともに脱毛につながってしまうことがあります。
 カユイという感覚については痛覚神経というのがありませんので、なぜカユミが起こるのかということについては、いろいろな説がありますが、現在では痛覚神経に一定の強さの刺激が加わると、それがカユミという感覚を引き起こすとされています。また一定以上に刺激が強くなると痛みという感覚になります。
 この感覚を引き起こす刺激の強さには個人差があり、人によってはカユミを強く感じたり、たいして感じなかったりします。
 炎症を起こしている部位や発疹部では刺激に対して敏感になっていますので、健康な部位では感じないような刺激でもカユミを感じるようになってしまいます。
 頭部の刺激としては、汗や皮脂などの分泌物、空気中の塵やほこりに含まれている細菌、微生物、花粉などや、ヘアケア用品のシャンプー、リンス、整髪料などに含まれる界面活性剤、殺菌剤、色素、香料などがあります。
これらをもう少し詳しくお話しますと、頭皮は皮脂の分泌が非常に多いところですが、皮膚の常在菌のブドウ球菌やイースト菌などの微生物が皮脂を分解し、水に溶けやすい物質に変え、これが汗や表皮の水分と一緒になって脂肪膜(皮脂膜)をつくり、皮膚にうるおいを与えたり髪のツヤを良くするのですが、ホルモンのバランスがくずれたり、健康を害して体調が狂うと、皮脂の分泌が多くなり過ぎ、先にあげた微生物が異常に繁殖しやすくなったり、空気や紫外線の影響を受けやすくなって、脂の酸化物である不飽和脂肪酸や、過酸化脂質などができ、これらが皮膚を刺激するために頭がカユクなったり、フケが異常に増えたりします。
シャンプーの後には念入りに何回も何回もゆすぐことがたいせつです。
25.ブラシと静電気による脱毛について対策法を教えて。
( マリアン )
 
 現在市販されているブラシには、イノシシ毛、豚毛、馬毛などの獣毛ブラシの他に、合成樹脂製ブラシ、金属製ブラシ、木製ブラシ等色々なブリッスルのものがあり、目的によってパッティンク用、ブラッシング用、ブロー用、セット用等に分かれています。 
 ナイロンブラシで乾いた髪をブラッシングすると、毛髪の表面にはプラスの電気が帯電します。この電気は毛幹を通り、皮膚の内部の毛根を通って毛乳頭に達すると、皮膚内部の電気はマイナスのため、この毛乳頭の部分でショートし、そのため毛髪と毛乳頭との間に細かな気泡が発生し、毛球は萎縮してしまいます。この時に発生している静電気は実に一万ボルト以上にもなっているといいます。少しくらいの気泡であれば、日時の経過で消えてしまいますが、ブラッシングを頻繁に行うほど、毛は毛乳頭から浮き上がり、ついには乳頭剥離を起こして、細胞は角化して固着力を失い、脱毛してしまいます。 
 髪に水またはヘアクリームなどをつけてから行うか、ブラシを時々水に漬けながら行えば、静電気を防止できるのですが、濡れ過ぎるとスタイリングはやりにくくなってしまいます。
 また軟らかい合成樹脂ブラシの場合はブラッシングの摩擦により、ブリッスルに髪のスジ道ができ、その中を通った髪のキューティクルを剥いで髪を傷めてしまいます。
 猪毛などのブラシを使えば静電気は起きないのですが、ブリッスルの先端が尖りすぎているため、皮膚の弱い人は頭皮が荒れることがあります。そしてこの荒れたフケ様の頭皮の残骸がブラシの中にたまり、ブラシの消毒が悪いと雑菌が繁殖し、湿疹やフケが多くなることがあります。またブリッスルが密植えになっている為、髪が引っかかりやすく、髪を引き抜いてしまうことがあったり、猪毛のキューティクルと髪のキューティクルがこすれ合うため、髪が傷んでしまうことがあります。金属製のものはほとんどがクッションタイプで、先端が丸くなっているので頭皮も荒さないし、ブリッスル表面もツルツルしているので髪のキューティクルを傷めることはありませんが、静電気が起きないわけではありません。木製のものは頭皮を荒さないし、比較的静電気の発生も少ないのですが、ブリッスルが太いため、ブローやセットには不向きです。
26.左眉に節のついた眉毛が数本有りました。前髪の毛先にも数本有りました。ある雑誌に節の有る毛や、弱々しく折れそうな抜け毛が出たらハゲの危険信号だと書いてありました。なぜこのような症状が起こるのか、また対策を教えて下さい。
( 池田 )
 頭髪の場合、節があるように見える場合は、一般に頭髪が何らかのダメージを受け、損傷し、段々乾燥している所に強いブラッシングなどで無理な力が加わったような時に、毛先に近い部分が一時的に強く引き伸ばされるために毛の組織が壊され、繊維状のコルテックス(毛皮質)が、竹の棒を石に叩きつけて折った時と同じようにバラバラの状態になりますが、これと同じように組織がバラバラになります。このような状態の毛を「結節性裂毛」と言いますが、さらに強い力が加わると、その部分から切れてしまい、日時が経つに従いその部分が裂けて「枝毛」になってしまいます。
 まれにはこのような外部からの乾燥や力などの刺激ではなく、髪の生え際などの毛に結節ができて、その節目からプチンプチンと切れて伸びることができなくなってしまう病毛もあります。これは微生物(砂毛菌など)が寄生して(この場合は糸状菌の一種で伝染しますので、カリ石鹸で洗い、チアントールなどの硫黄剤を塗布します)起こったり、先天的な疾患で「連珠毛」(この場合は10%のサリチル酸ワセリンを塗って毛包周囲の角質を柔らかくします)などの場合や、「特発性毛髪折断症」という非常に珍しい疾病で、生後まもなく、毛髪が自然に切断するもので、原因は不明ですが、遺伝形質をもって子孫に伝わるものや、やはり、優性遺伝形質で伝わる「結節状裂毛症」という病毛もあります。後天的にはタンパク質の構成に何等かの支障ができたために起きることもありますが、これらの場合ははっきりとした原因は今のところ不明です。 眉毛の場合も色々な医学書で調べたり、医師にアドバイスを受けたのですが、「結毛症」ということで、タンパク質形成の異変であろうということで、頭髪の場合と同じように乾燥させないようにオイルなどを塗って、タンパク質の多い食品を多く摂取するようにということでした。
 あなたが読んだという雑誌は何か解りませんが、原因がパーマやドライヤーのかけすぎ、脱脂力の強いシャンプーの連用、紫外線に長時間当たったり、強いブラッシングをしている場合などはこれらを避けるようにし、その毛をハサミで切っておけば自然に節は無くなり、ハゲとは関係ありません。
 眉の場合はアフターシェーブなどのアルコール分が乾燥を促したのであれば、これを止めれば良いのですが、毛髪組織の蛋白合成に関する場合となると、蛋白質の多い特にシスチンの多い食品(牛、豚、鶏などの肉類や卵、牛乳、蝦、蟹、ウニ、カキ、アワビ、ピーナッツ、大豆、納豆、スピルリナなど)や亜鉛の多い食品(カキ、つるむらさき、しょうが、ナッツ類、くるみ、いわしなど)を摂るようにして下さい。
27.中学三年の娘を持つ母親ですが、娘は中二の初め頃から毎日シャンプーする癖がついてしまって困っています。 冬の風邪をひいた時でも風呂には入らないで、シャンプーだけはかかさずにやっているのです。  シャンプーをしないと髪がべとついて、変な臭いがするからだと言うのですが、臭いをかいでみても別に変な臭いはしていません。 最近は髪の色も赤っぽくなってきているようです。このまま放っておいても良いものでしょうか。シャンプー剤の良し悪しや、シャンプーの仕方について娘へのアドバイスをお願い致します。
( ・・・・・・・ )
 戦後の衛生教育の中で一番普及したのがシャンプーではないかと思いますが、お母様はいつ頃からシャンプーを使い始めたか覚えていますか?
 昭和三十年にアルミ袋に入ったペースト状の花王フェザーシャンプーや粉末のライオンピンクシャンプーが発売され、それまでの石鹸で洗っていた感触に比較して風合いが良くなったという評判に刺激され、他のメーカーもクリーム状、液状、ゲル状、乳液状など目先の変わったシャンプーを次々と発売し、現在市場に出回っている商品の種類は二百種以上にも及ぶようになってきました。
 いずれにしても風呂嫌いやシャンプー嫌いは昔より少なくなり、各洗剤メーカーのコマーシャルは毛髪に対する関心を高め、洗剤を顔用、髪用、体用というように使い分けさせていった点は喜ばしい事なのですが、こうも多くのシャンプー剤があると、どれを選んで使っていったら良いのか迷ってしまい、自分の髪質に合っていないものを選んでしまい髪を傷めたり、フケやカユミなどが多くなったという問題も無いわけではありません。
 それではシャンプー剤の良否のみわけ方はというと、シャンプー剤は成分的にはいくら良い物を配合したとしても、それが必ずしも良いシャンプーという評価を受けないことがあるのです。結局は使ってみなければ良し悪しは分からないという点が難しいことで、ひとり一人髪質が違うため、他の人が良いからといっても自分に合うとは必ずしも限らないのです。  特に女性はコマーシャルの影響や、香りの良いものを好むようですが、連続使用しても手指が荒れたり、頭皮に不快な刺激がなく、すすいだ後も髪がきしまず、ブラシや櫛の通りが良く、乾いた後も艶や風合いが良ければ良いシャンプー剤であるといえます。
 まれにシャンプー剤で髪が赤くなる人もいますが、中学生ですからパーマはかけていないと思いますので、プールの塩素の影響や、日焼けによる場合が多いのではないかと思います。念のためシャンプー剤を変えさせてみてはいかがでしょうか。
 洗い方は、お湯で充分に素洗いをしてから、自分の髪質に合ったもので、できるだけ少量で毛髪を軽くもみながらファーストシャンプーをし、続いて一回目の半分の量のシャンプー剤で頭皮を充分にマッサージするように洗い、すすぎはこれでもかという位に充分に洗い流し、その後リンス剤を少量塗布してマッサージ後、再び軽くすすいでタオルで叩くようにして水分をとり、できれば頭皮の状態に適したトニックを塗布してマッサージをしておくならば、顔を毎日洗ってはいけないということがないように、風邪をひいた時は別として、毎日洗ったからといって悪いというものではありません。
28.ロン毛にしたくて髪を伸ばしているのですが、枝毛が気になるんです。こまのまま伸ばし続けてもいいの?
( ミュージシャン )
 これまでの手入れや、パーマや毛染めなどをやっているのか、またどの部分にどの程度の枝毛が発生しているのか詳しい症状がわかりませんので、一般的なことでお答えします。
 毛髪を傷める原因にはパーマや毛染め、脱脂力の強いシャンプーなどの化学的なものと、ブラッシング、逆毛などの物理的なものがあります。この化学的な要因によるダメージと物理的なダメージは、お互いに一方が傷むともう一方に影響を与えてしまいます。
 枝毛ができる前には、一般に何らかのダメージを受けており、ツヤが無くなり、次第に乾燥しやすくなってパサつくようになってしまいますが、このような状態の時に、強いブラッシングで無理な力が加わったような場合、毛先に近い部分が一時的に強く引き伸ばされるために毛髪の組織が壊され、繊維状のコルテックス(毛皮質)が、丁度竹の棒を石に叩きつけて折った時と同じようにバラバラの状態になってしまい、白いツブツブがついたような状態になってしまいます。
 このような状態の髪を「結節性裂毛」と言いますが、さらに強い力が加わるとその部分から切れてしまい、日時が経つに従い、その部分が裂けて「枝毛」になってしまいます。
 毛髪の場合は、皮膚の場合と違って、二度と傷が生じたところを治すことはできませんから損傷の進行を防止し、修復させることが必要です。
 枝毛の発生した状態でこのままま伸ばし続けると、枝毛は増えることはあっても絶対に減りません。これ以上枝毛を発生させないようにするためにはカットをしなければならないのです。枝毛ができている部分から4〜5pくらい根元側でカットすることが理想ですが、これではなかなかロン毛にはなりません。そこで長い状態を保ちながら枝毛を無くすためには、枝毛の発生している髪を少しずつ分け取り、それをねじり、はみ出た毛先をこまめにカットして枝毛を取り除きます。このようなカットを時々行い、毛先の部分にヘアクリームなどを少量すり込んで乾燥を防ぐようにしておけば自然になくなってきます。
29.髪をブリーチしたら、ブラッシングのたびに髪がパラパラと途中から切れちゃうんです。どうして? どうしたら髪が切れなくなりますか?
( ほんとにこまったちゃん )
 ブリーチ剤は毛髪中のメラニン色素を過酸化水素水などによって酸化脱色(ブリーチ)させるもので、過酸化水素水はアルカリ性の時により多くの酸素を発生し、強い酸化力が得られます。そのため普通行われているブリーチでは、1剤にアンモニア水などのアルカリ成分、2剤には過酸化水素水などの酸化成分が有効成分として配合され、使用時にこれらを混合して塗布します。
 これらの薬剤が塗布されると毛髪はアルカリにより膨潤し、過酸化水素水が毛髪内部に入り込み、メラニンを破壊し、褐色からブロンドへと次第に髪の色を明るくしていきます。
この時毛髪内部では程度の差こそあれ、どうしてもダメージを受けてしまいます。特に毛髪表面が傷みやすくなり、キューティクル(毛髪表面のウロコ)が剥がれやすくなり、紋理(ウロコの模様)の乱れが生じやすくなります。また過酸化水素水が分解して発生する発生期の酸素により多孔性毛(ウロコが剥がれて穴があいた状態の毛)になってしまいます。その結果物理的な変化としては、強度、弾力、伸度の低下、膨潤率の増加などが起こり、化学的変化としては、毛髪中のシスチン結合が一部酸化されてシスティン酸ができてしまい、もとのシスチンに戻らない変性毛になってしまいます。
 このように傷んだ髪にブラッシングをすると、ブラシの形態や材質、ブラッシングのやり方によっては毛髪に対する抵抗のかかり方が違い、弱った状態に強い力が加わると途中から切れてしまいます。
 切れないようにするためには、ブラッシング用のブラシは金属性クッションブラシのように、ブリッスル(通常のブラシの毛の部分)の抵抗が少ないものが良く、荒植えのもので、すべりが良いようにきれいにメッキされたもので先端が丸いものを使用し、シリコンなどが配合されているブラッシングローションを使用し、毛先から少しずつブラッシングを始め、次に中間部からとかし、スジ道をつけておいてから最後に根元から毛先までゆっくりとした速度で行うようにして下さい。
 絶対に乾いたままの髪にいきなり強く根元からブラッシングするというようなことは、行わないようにして下さい。
 シャンプー剤は弱酸性のアミノ酸系のものを使用し、髪をこすり過ぎないように洗い、充分にすすいでからPPT系のトリートメント(ポリペプタイド)をして髪を補強しておくことが必要です。
30.ミディアムヘアのぼく。サイドの髪がすぐ前にたれてきちゃう。きれいに、しっかり、流れるブローを知りたい。
( キララ )
 サイドの髪が……というけど、前髪を流したサイドの部分の髪のことと思います。手ぐしやブラシでかきあげても、すぐに顔の方にパラパラ……というようなあなたにはまず、「毛先パーマ」でクセをつけることをおすすめします。普通のパーマは何回転も巻いてウエーブをつくるけど、太めのロッドで1回転から1回転半位巻いてもらうようにしてパーマをかければ、ごくナチュラルなカールの仕上がりになって収まるようになります。それには髪の長さの半分位まで巻くことを目安にしてもらってください。フロント、トップの部分にだけかければごく自然なラインになります。
 ブローだけで何とかしたいと言う場合は、まず水スプレーかブローローションなどで髪をウエットな状態にしておいて、ロールブラシを使って外巻きに巻き付け、ドライヤーのノズルを頭皮と平行に当てるようにしてブラシを温めるようにブロウし、ドライヤーを離して髪が冷めるまで待ち(髪が温かい間はブラシを動かさないことがしっかりさせるコツ)、つぎにスケルトンブラシを使って表面だけサーッととかし上げて流れをつくります。仕上げはミストを使って流した髪を固定します。
 ロールブラシがうまく使えない人は、カールブラシ付きドライヤーで前髪をカールさせると簡単です。この場合も温めてカールをつくったら、そのままの状態で冷風を送って髪を冷やすことが大切です。
31.ブリーチしたら超パサつく!! 今すぐしっとりさせるにはどうしたらいいの? うえからカラーリングしたら落ちつくの?
( ゆか )
   
 毛髪は損傷してくると、毛髪自身が水分を保持する力が低下してしまい、しだいに乾燥してしまうためバサつくようになってしまいます。このように傷んだ髪をしっとりさせるためには、まず水分を保ち、しなやかなしっとり感を与えるためにグリセリン、プロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ポリペプチド、アミノ酸などの保湿成分の配合されているトリートメント剤を塗布し、さらに毛髪の表面を油性の膜でおおい、水分が蒸発して乾燥するのを防ぐために、油性成分のセタノール、スクワラン、シリコン、ステアリルアルコールなどの配合されているトリートメント剤を塗布してから、サランラップかヘアキャップで髪を包み、その上からドライヤーなどで10分位温めてから洗い流しておきます。一般的には損傷毛用のトリートメント剤には保湿成分も油性成分も含まれていますので、これを塗布するトリートメント技術をやればしっとりしてきます。
 ブリーチをした髪にカラーを入れると、髪の色が濃くなって落ち着いて見えるため、髪の状態が良くなったようになりますが、カラーリングの場合には、かえって傷んでしまう場合と落ち着く場合があるのです。
 かえって傷んでしまうのは二剤タイプの過酸化水素水を使用する酸化染毛剤で、時間とともに色が濃くなってくるものです。
 落ち着かせるためにはマニキュアタイプのもので少し暗めのカラーを入れれば、マニキュアにはトリートメント効果もあり、色も暗くなれば落ち着いて見えるようになります。
32.増毛法の広告やCMが以前にも増して多くなっているようですが、増毛法というのはどのようにして毛を増やしているのでしょうか教えて下さい。
( ふしぎ )
  
 増毛法は自毛の根元近くに人工毛や人毛を結び付ける方法や、釣り糸のような透明の糸に縄のれんのように何本も結びつけた毛を、直接頭皮に手術用のアロンアルファなどで貼り付ける方法や、粉のように細かく刻んだ髪の毛を頭皮にふりかけたり、黒スプレーなどを直接頭皮に吹き付ける方法などがあります。
 粉やスプレーの場合は簡単ですが、結び付ける方法は技術を要します。結着というような言葉を使っていましたが、数年位前までは結ぶということさえ秘密にしており、広告やCMなどでは一本の髪の根元に2本、4本、6本と生えたような絵で説明されたり、コンピュータグラフィックスを使ったCMでは、小さな輪に取り付けてあった毛が髪の根元に入ると輪が締まって無くなり、根元から5倍、7倍に生えているように見える宣伝がされていました。
 実はこのあたりが手品のトリックと同じで、CMなどで増えていくイメージを与えておいて、髪フサフサの写真やモデルが登場すると、見ている方は本当に生えているかのような錯覚を受けてしまうのですが、実はこの写真のように髪の根元側に結び付けただけのものであって、地肌の所から生えているようなものではないのです。
 試みにこの写真や結び目を拡大したビデオをマスコミ関係の人達に見せたところ、非常に興味を示すのですが、広告費をもらっている関係で発表となると二の足を踏んでしまうため、今までなかなか目にふれる事が無かったのです。 写真のものはANのMをやったお客様のものですが、この結び方は各メーカーがそれぞれいろいろな方法で結んでおり、初期の頃は結びがほどけてしまうため接着剤を使ったりしていましたが、最近は結ぶだけでしっかり結着させることができるようになってきています。  (増毛写真についてはここをクリック)
 私のサロンで行っている結び方では写真のものよりもっと小さくなる方法で結んでいます。
 普通の頭髪は50〜80グラムの固着力を持っているのですが、一度に多くの毛を結び付けてしまうと、ブラッシングやシャンプーの時に、結んだそれぞれの毛に抵抗が加わり、自毛の根元には固着力を越えた集中した抵抗が加わってしまうため、かえって脱毛を促進してしまうことがありますので注意しなければなりません。
33.中二の息子のことでお尋ね致します。髪の色が普通の人に較べると明るく、前髪は金髪のようになっています、私の髪も昔から普通より明るい方ですので担任の先生には話してありますが、他の先生には脱色しているのではないかと疑われ困っています。3歳から12歳まで週2回、中学生になってから毎日約1年間スイミングに通い、現在は部活のサッカーが忙しくて休んでいます。髪の毛をお送りしますので検査のうえ、染めたり脱色をしていない旨の証明書を書いて頂けませんでしょうか。
( ・・・・・・・・・枝 )
 毛髪の色は毛皮質中に含まれるメラニン色素の量によって決まり、多ければ多い程日本人のように黒色は濃くなり、メラニン色素含有量が少ないと欧米人のように褐色から茶色、金色、灰色にまで明るくなっていきます。
 このような毛髪の色調(色素の含有量)は人種や個体により異なり、完全な遺伝によるもので、その人の持っている遺伝的な形質を変えることはできません。
 染毛や脱色などで髪の色を変えたとしても、これは毛髪中に入った染料の色やメラニン色素が分解した一時的な現象で、新しく生えて来る毛は元の色調になります。
 メラニン色素は色素細胞(メラノサイト=数は毛髪の色とは関係無く、人種による差異はあまりありません。)でつくられて毛母細胞に受け渡され、毛髪の成長とともに上に移動し、毛皮質の細胞内にあって(外側ほど多い)毛髪の色調を現しています。
 毛髪に含まれるメラニン色素にはSメラニン、Bメラニンの二種類があり、Sメラニンは鉄を多く含有して化学作用に対して抵抗性のある強いメラニンで、主に頭頂部、後頭部、襟部の毛髪に多く含まれています。Bメラニンは逆に弱いメラニンで、側頭部や前頭部に含まれています。
 Sメラニンは時間の経過とともにBメラニンに変化していくことも確かめられています。
 このため息子さんのように遺伝的にメラニン色素の量の少ない明るい髪質を受け継いだ人が、3歳からスイミングスクールに10年も通っていたということになりますと、プールの塩素の影響により自然に脱色が行われ、襟部や後頭部に比較して前髪が明るくなった事が考えられます。
 現在はスイミングスクールを止めているとのことですので、次第に少し暗い色調になっていくものと思われますが、部活のサッカーの練習などで紫外線に当たる機会が多い場合、やはり紫外線によりメラニン色素が破壊されやすく、髪は明るくなりやすく、黒髪という状態にはなりにくいでしょう。
 その他には髪質が弱い場合や、もともと明るい場合、シャンプー剤やリンス剤などでさらに髪が明るくなることもあります。
 息子さんの頭髪を、色素還元法(還元剤を用いて化学的に入れた酸化染料の有無を調べる。)、色素酸化法(酸化剤を用いて人工的に入れた染料の有無を調べる。)、強度伸度測定(染毛や脱色などをしていない健康な髪の場合は太さの数値の約2倍の切断強度を持ち、伸度は45〜55%の範囲で、化学処理した髪は損傷が激しくなり切断強度は1.5倍以下、伸度は40%以下に低下する。)、ブラックライト照射(明るく染めた髪は染料の色調+白色、脱色した髪は白っぽく見える。)等により検査した結果、染毛や脱色等は行っていない頭髪であることを確認致しましたので、毛髪相談室より証明書を発行致します。
 このような髪の色や縮毛などが校則違反に問われる場合が時々ありますので、入学時に学校側と良く話合い、むしろ学校側の「染めていない旨」や「縮毛である旨」などの証明書を発行して頂いたら良いのではないかと思います。
34.夏の間はベトついた肌でしたが、秋風とともに肌がカサつくようになってきました。
 冬になるとカサつきはもっとひどくなり、白っぽく粉がふいたようになってしまいます。特に洗顔をした後などは突っ張って荒れやすくなってしまうので困ります。今からどの様に肌の手入れをしておけば良いか教えて下さい。
( しろこさん )
 皮膚の美しさを保つ言葉に「う、な、は、た、け」という言葉があります。「う」は潤い。「な」は滑らかさ。「は」は張り。「た」は弾力。「け」は血色で、この五つの要素が素肌美の条件で、汗と油と垢の三つの「あ」が「う、な」である潤いと滑らかさを保っています。
 汗腺からの水分と皮脂腺からの脂分がミックスして皮脂膜をつくり、この皮脂膜が肌の表面を覆って水分の蒸発を防ぎ、肌の潤いを保っていますが、皮膚の角質細胞の中にもNMF(ナチュラル・モイスチャライジング・ファクター)と呼ばれるアミノ酸類、ピロリドンカルボン酸、乳酸塩、尿素など約二十種類もの物質からなる天然の保湿因子があり、肌の水分を調整して潤いを保っています。
 さらに細胞間脂質(インターセルラーリピッド)も、層状構造になって潤いを保っているというメカニズムも最近発見されています。
 肌がカサカサして乾性肌になる主な原因は、気温の低下とともに汗や皮脂の分泌が減ってくることと、空気の乾燥や暖房器具などにより、皮膚の水分量が少なくなっていることが原因しています。 
 洗顔後や顔剃り後も皮脂膜が取り除かれてしまい、乾燥しやすくなっています。
 乾性肌になってくると角質層はけばだった状態になり、そのため外からの化学物質などが皮膚の中に侵入しやすくなり、かぶれやアレルギーなどのトラブルが起こりやすくなってきます。
 肌が乾燥するからといって油分だけを補給しても駄目で、水分も補給しなければならないのです。
 十年位前までは乾燥するのは全て油分の不足とみられていましたが、現在ではまず水分を補給することが主流になっています。
 顔についた汚れや化粧品などを落とすには、石けんによる洗顔が基本なのですが、肌が荒れるようになるのは、石けんの香料や着色料が問題になったり、ブラシ洗顔による擦り過ぎなどによる場合が少なくありません。
大部分の石けんはアルカリ性で、良くゆすいでも落ちにくい性質を持っていますので、肌に残ったアルカリを中和してやることが大切で、弱酸性の化粧水や、普通の化粧水の六〜七倍の水分保持力を持つ、ヒアルロン酸やコラーゲンなどが配合されているモイスチャーローションをつけ、その後に乳液やクリームなどで油分を補って乾燥を防ぐようにしましょう。
35.髪が思い通りにならないんだけど、髪質とスタイリングのしやすさは関係あるの?
( ぺぺ )
 ボリュームが出にくい。セットがすぐに乱れてしまう。ツンツン立ってしまう。思い通りにならないなんて時はイライラしますよネ。
 髪が傷んでいる場合は別としてこれらは髪の太さが関係しています。硬すぎる。多すぎるなどというのも一本一本が太い為で、特別に髪の本数が多いという訳では無い場合が多いです。   一方軟らかいとか少ないというような場合も髪が細いことが原因してる場合が多いです。
 日本人の場合、髪の平均の太さは0.08ミリ(80ミクロン)位で、セットの持ちの悪いフワフワの髪は0.04から0.06ミリ(40〜60ミクロン)位、反対にバリバリの髪は0.09から0.1ミリ(90〜100ミクロン)位というように、わずか0.01ミリ(10ミクロン)の違いが髪質を変えてしまいます。
 それからセットのやりやすさは髪の断面の形も関係しており、直毛の人は丸く、縮毛の人は楕円形や繭のようにまん中がくびれていますが、サラサラの直毛よりも少しクセがあった方セットはやりやすいです。
36.どのような人がハゲになりやすいの。
( じゃらんQQ )
 あなたの身の周りの人でハゲている人を思いだしてみて下さい。その人の親もハゲていたり、頭が大きかったり、ヒゲや体毛が濃かったりというように共通のパターンがあることに気がつくでしょう。
 ハゲやすい人は例外もありますが、一般的には
◎家系にハゲている人が多い。
◎頭骨が張っている所がある。
◎ヒゲや体毛が濃い。
◎フケが多い。
◎毛先の尖った短い抜け毛が多い。
◎ストレスが多い。
◎食事の偏りが多い。
◎酒やタバコの量が多い。
◎ナイロンブラシを使っている
◎シャンプーの回数が少ない。
◎糖尿病など健康上に問題がある。
このようなものがあげられますが、これらは大きく分類すると
@遺伝A精神状態B食事状態C健康状態D間違った手入れなどがあげられますので、遺伝は生まれてからでは変えることはできませんが、これらに気を配って髪に良いことは取入れ、悪いことは避けるようにしましょう。(イラストで見たい人はここをクリックして下さい。)
円形脱毛症などの場合は自己免疫障害やアトピーなどなども関係しています。
37.最近の男性週刊誌などの毛髪関係の広告は、カツラや養毛剤を初め色々ありますが、これらの現状と実際の効果などはどうなのでしょうか。育毛剤はつけ始めた頃は髪が濃くなってきたような気がしたのですが、最近は変化が無いように思えます。 やはり発毛ということは無理なのでしょうか。
( H.K )
 MINATO3710毛髪相談室に寄せられる電話相談にもこのような相談が最近は多くなっています。
 ある人はカツラをつけて泳げるというCMを見てプールで大ハジをかいたとか、スペアをしつこく買うよう言われウンザリしたとか、専門大メーカーで作ってもらったのに一発で見破られてしまったとか、あなたと同じように3年以上も育毛剤を使っているのに効果が現れないとか、ふりかけ式の毛髪剤を使ったら枕は黒くなるし、雨に合って大変な目に合ったとか、発毛センターに入会金と治療費を合わせて100万円以上払ったのにかえって薄くなってしまったとか、ある毛髪本を信じて薬局でワンセット買ったら、その本を書いていた医学博士が、薬事法違反と脱税で十数億円払わされたことが新聞に載っていて、非常に頭に来たとか、育毛と増毛をセットで280万円も払わされた……などなど色々な苦情の相談が増えています。
 これらの毛髪ビジネスは元々は理容の分野だったのですが、宣伝にものを言わせ、いつの間にか理容以外の所が専門というような状況になってきています。  
 養毛剤や発毛育毛センターなどが、広告や雑誌などに発表している発毛効果の写真を調べたところ、色々なトリックによって髪が復活したり、生えてきたように見えるものがたくさんありました。
 写真による使用前と使用後のトリックを研究した所、照明を変えたもの。印画紙の号数を変えたもの。生毛を染めたもの。分ける位置を変えたもの。写す角度を変えたもの。セットの仕方を変えたもの。円形脱毛症のものなど約50種類もありました。
 毛髪をめぐる心理的変化は、1.信じる。 2.期待する。 3.迷う。 4.疑う。 5.止める のパターンをたどる人がほとんどです。
自分の悩みに効くと思う(信じる)と、効果があるものと思い込み、あるいは思いこもうとして、他人に「効いた」「効いた」と触れ歩くようになり、しばらくするとまだ同じ症状の自分に気付き、期待と諦めを持ってまた別の育毛剤に移るというパターンの繰り返しをしている人がほとんどで、完全にハゲてしまった時、良いと言われた方法がいったい何であったのかといぶかしく思うと言います。
 いまのところ男性型ハゲは病気で言えば慢性疾患タイプですので、慢性病と同じ様な考え方をしなければなりません。つまり対症療法的に考え、症状が進行中であれば進行をくい止め、現状を維持し、さらに少しでも回復に近付ける考えが必要なのです。
 円形脱毛症などの場合をのぞいて、短期間で劇的に変化して髪が生えてフサフサになってくるのは期待しない方が良いです。
38.白髪染をすると毛髪は少なくなっていきますか。
( T.T雄 )
 染毛剤が頭皮に付着すれば、アルカリなどの影響で一時的にフケが多くなり、これが引金となって脱毛につながることも考えられますが、遺伝的に白髪になるのと、ハゲになるのの両方を受け継いでいなければあまり心配はいりません。
 染毛やシャンプーの後にリンスやトリートメントをして、頭皮や毛髪を弱酸性に戻しておけば、染めたことが原因で薄くなるようなことはありません。
39.毎日洗髪するのがいいと言われますが、デメリットはないのでしょうか。
( ジミー )
 昭和28年から35年に発行された「化粧品製造化学」という本のシャンプーについての項に、「これからの女性は、シャンプーは湯を用い、月に2回は洗うべきである」と記されています。ところが今は毎日洗うことはおろか、1日に朝晩2回も洗う人が増え、当時の15〜30倍も洗うことになり、それにともない女性の脱毛や脱毛の低年齢化が話題になっています。
 数年前にシャンプー剤の皮膚への影響を調べるため、10匹のA系マウスの背中の毛を10平方センチ、バリカンでカットし、そこに市販のシャンプーと育毛剤系のシャンプーをそれぞれに毎日1ccずつ1週間塗布したところ、リンスインシャンプーを塗ったものは1日目で死亡したり、さらに2日目で死亡したものがあり、1週間後には残った全部のマウスの毛が剥がれ、刺激の強かったものはケロイド状態になり、23日後の状態では、ほとんど元に戻ったもの2匹、他の6匹は真皮まで犯された部分には毛が生えて来ませんでした。もちろんこの実験がそのまま人間に当てはまるわけではありませんが、もしシャンプー後のすすぎが悪い場合、何らかの影響があるはずで、その結果もふまえて女性の脱毛や男性の低年齢化が話題になっているものと思われます。
 また、メディカルトリビューン紙の記事に十字文子医師がアトピーの皮膚に対する色々な洗剤の影響を調べたところ、シャンプー剤による悪化が一番で60パーセントの人に悪化がみられ、住まいの洗剤などよりも影響が大と記されていました。
 シャンプー剤などの主成分である界面活性剤について同志社大学の毒性テーブルによると発ガン性が報告されていたり、しっとりしなやかにする成分にもいろいろ皮膚への影響があることが報告されています。
 洋服の場合は洗えば洗うほど繊維が傷むように、毛髪の場合も洗うことにより次第にキューティクルが剥がれて損傷してきます。かといって洗わない場合はもっと不潔になり、毛髪の傷みよりも地肌にいろいろトラブルが起こってしまいます。
 従って、シャンプー剤の選び方と、すすぎを十分に行うなど正しい使用法で行うことが大切になります。
 シャンプー剤の安全性については、量と濃度と使い方の三つの要因が影響しており、甚だしくその使用を逸脱しない限り人間の健康等を損なう恐れはほとんど無いとされています。頭皮、頭髪の状態、目的、効果などにより使い分ける事が必要です。
40.2度洗いと1度洗いの洗浄率の差はどれくらいですか。毎日なら1度洗いでいいの。
( G.E )
 シャンプーは2度洗いが常識になっています。まず1回目シャンプーは脂汚れなどの乳化のためのクレンジングを目的とし、甚だしい汚れを洗い流して落ちこじれを防ぐための操作です。2回目はシャンプー本来の目的のマッサージをすることが大切です。1回目で落ちなかった汚れを落とし、頭皮の血行を良くし生理機能を高めることが大切なのです。
 1度洗いでも石油系の脱脂力の強いものであれば汚れは簡単に落ちてしまいます。洗浄力だけを目的にしたようなシャンプー剤は現在はほとんど発売されていません。
 シャンプー剤の主成分や補助成分などの種類や量、汚れの種類や程度などによって落ちも違います。洗浄後の風合いなども重要な要素ですので、単に洗浄率の差だけで判断するのは危険です。
 毎日洗っていたり、汚れが少ない時は一度洗いだけで良いこともあります。
41.シャンプーの種類と選び方のポイントは?
( GOO )
 シャンプー剤選択の目安は、使用する本人の汚れの状態や目的により違い、自分の頭毛や頭皮の汚れの状態や仕上がり時の風合いなどに合わせて選ばなければなりません。硬い髪の人がソフトにしたいのであれば、カチオン活性剤などが配合されているものが良い製品いうことになりますが、軟らかい髪の人がそれを使用した場合、ソフトになりすぎてしまい、結果としてはダメな製品ということになります。 ヘアケア(髪の手入れ)、ヘアクリーン(髪の洗浄)、スキャルプケア(頭皮の手入れ)、スキャルプクリーン(頭皮の清浄)、ヘアグロウイング(髪の発育)などの目的により選ぶことが大切です。
 シャンプー剤について
 シャンプー剤は他の洗剤と違い、生身の人間の頭皮、頭髪を洗うもので、人体や環境に対し、無公害であることはもちろん、風合いやコンディションを最良に保てるものでなければなりません。単に汚れを落とすだけなら洗浄剤のみで十分ですが、これでは頭髪がパサついたり艶や櫛通りが悪く、髪を傷めてしまいます。シャンプー後の髪の健康を護るためや品質を保持するために、色々な添加剤が加えられていますが、シャンプー剤の一般的な成分は、汚れの洗浄のための洗浄基剤、その洗浄基剤の働きを助け、洗浄力をアップしたり、泡立ちをよくする補助洗浄剤。毛髪の手ざわり、くし通り、つやなどをよくするコンディショニング剤。フケや痒みを防ぐフケ防止剤などと、その他の添加剤として、界面活性剤の水に対する溶解度を高めるハイドロトロープ剤。菌の繁殖を防ぐ防腐剤。安定性向上のための酸化防止剤。酸性、中性など液性を調整するペーハー調整剤。硬水による性能の低下を防ぐ金属イオン封鎖剤。外観をパール状、乳濁状にして高級感与える乳濁剤。香りや色で商品価値を高め気持ちよくシャンプーをするための香料、着色料などが用いられています。
 シャンプー剤の種類と特徴 
 シャンプー剤の種類はたくさんあり、形状別やペーハー別、機能別、髪質別、配合成分別などにより便宜上分類されています。
 1 形状・ペーハー別分類
 シャンプー剤の形状としては、透明液状、乳液状、パール状、ペースト状、ゲル状、二層液状、粉末、固形など色々あり、これらの中で一般には使いやすさの点から、透明、乳液状の液状シャンプーが大部分を占めています。また、ペーハー別には酸性シャンプー、中性シャンプー、アルカリ性シャンプーなどがあり、目的別に、損傷毛や敏感肌のためのコンディショニング効果を持ったものは酸性、普通は中性、落ちにくい汚れ落としにはアルカリ性のものが用いられます。
2 機能・髪質別分類
 機能的な分類としては次のように分類されています。
@ 汎用タイプ……通常の洗浄を目的としたもの。
 透明シャンプー、クリーム状シャンプーなど。
A 薬用タイプ……フケ、カユミ、消臭を目的としたもの。
 デオドラントシャンプー、ノンアルカリシャンプー、フケとりシャンプー、トニックシャンプー、スカルプシャンプーなど。
B コンディショニングタイプ……頭皮毛髪の保護、補強、艶出しなどを目的としたもの。
 コンディショニングシャンプー、オイルシャンプー、プロティンシャンプー、セットシ ャンプー、リンスインシャンプーなど。
C スペシャルタイプ……個別の特別の目的を持ったもの。
 フレグランスシャンプー、ダメージドヘア用シャンプー、ベビー用シャンプー、低刺激 シャンプー、リンスインシャンプー、カラーダイシャンプー、ドライシャンプー、育毛 シャンプーなど。
 また、髪質による分別訴求も行われ、ドライヘア用、ノーマルヘア用、オイリーヘア用などのように、髪の水分、油分によるものや、硬い髪用、軟らかい髪用、普通の髪用、損傷毛用などの髪の硬軟や損傷の改善を目的としたものなどに分類されることもあります。
3 配合成分別分類
 シャンプー剤には、脂肪酸石けん、石油系合成洗剤、高級アルコール系洗剤、アミノ酸系洗剤、ショ糖脂肪酸系洗剤などが使われている。かっては脂肪酸石けんが主流を占めていましたが、石油から合成洗剤がつくられるようになってからは、あまり使われなくなっています。ABS系などの石油系合成洗剤は洗浄力が強すぎ、髪を傷める原因になるため現在はほとんど使われなくなり、高級アルコール系の洗剤が主流を占めるようになり、ヤシ油などの天然の油脂を原料とするものと、石油から合成するものがありますが、洗浄性、起泡性、溶解性などの基本的な性能はほとんど差がありません。クリニック志向の高まりから、コンディショニング効果を持たせたアミノ酸系やショ糖脂肪酸系なども用いられています。
@ 脂肪酸石けん系のシャンプー剤
 高級脂肪酸のアルカリ塩、特にナトリウム塩を普通石けんと言います。石けんは人類が最初に合成した界面活性剤と言われているように、現在市販されている石けんは、天然にあるものではなく合成されたもので、ヤシ油、牛脂、菜種油などを水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)と水で加水分解することによりつくることのできる、害の少ない合成界面活性剤の一つです。
 法律の上で、それまで長い間使われていた石けんは「石けん」と表示されています。
 複合石けんは石けんを主成分として、他の界面活性剤を加えてあるものを言います。
A 石油系合成洗剤のシャンプー剤
 戦後の石油と硫酸からつくられた石油・硫酸合成系の界面活性剤を「合成洗剤」というように区別しています。
B 高級アルコール系洗剤のシャンプー剤
 高級アルコールを濃硫酸で硫酸化し、アルカリで中和したもので、天然原料としてヤシ油、マッコウ鯨の油からとれるアルコールからつくられるものと、石油を出発物質とする合成アルコールからつくられるものがあります。
C アミノ酸系洗剤のシャンプー剤
 砂糖きびから抽出した糖蜜を発酵して得られるもので、アシルグルタミン酸ナトリウムを主成分とし、起泡性がよく、低刺激、低タンパク変性、生分解性が良好です。
42.シャンプー剤の良否について教えて。
( はねうさぎ )
 良いシャンプー剤の持つべき条件としては、商品価値的見地からは、適度な洗浄力があること、製品が安定していること、適当な粘度があること、臭いがきつすぎず良いこと、強すぎる色では無いこと、価格が適当であることなどがあげられます。シャンプー剤などの香粧品原料に使用される界面活性剤は非常に高度な品質が要求され、香粧品に使用される界面活性剤は、
@ 皮膚に対する刺激が無いこと。
A 毒性、光毒性が無いこと。
B 変異原性、催奇形性が無いこと。
C 無色、またはそれに近いこと。
D 無臭であること。不快臭の無いこと。
E 安定性が高く、経時変化の無いこと。
などが要求され、さらにシャンプー剤としては次のような条件も満たすことが必要です。@ 泡立ちが良いこと。
A 泡の持続性が良いこと。
B 適度な洗浄性があること。
C 手指の滑りが良いこと。
D すすぎに際し簡単に落ちること。
E パーマや染毛などの他の技術に影響を与えないこと。
F 洗い上がりの櫛通り、艶、手触りが良こと。
G 眼に強い刺激が無いこと。
H 手指、爪の損傷が無いこと。
 
 シャンプー剤の選定は、髪質、頭皮の状態、髪質改善、頭皮改善、育毛などや、プロの場合は他の技術のためのプレシャンプーとして行うものなど、それぞれ目的に応じたものを選ばなければなりません。また、シャンプー法も目的に応じて変えていかなければなりません。
43.リンス剤、トリートメント剤の種類と選び方について教えて。
( GOO )
 リンス剤には乳濁状、クリーム状、ローション状、透明状、スプレー状などいろいろな形状のものがあり、機能的には汎用タイプ、薬用タイプ、コンディショニングタイプ、スペシャルタイプなどに分類され、シャンプー後のアフターケアに使用したり、カットの前後、あるいはパーマネント・ウエーブやヘア・カラーリング後に使用する特殊物質を配合したものなどがあります。それぞれ下にあげるような目的をもって選ぶことが大切です。
@ 汎用タイプ
 クリーム状リンス、透明リンス
A 薬用タイプ
 フケ取りリンス
B コンディショニング・タイプ
 オイルリンス、コンディショニングリンス
C スペシャル・タイプ
 ダメージヘア用リンス、酸性リンス、カラーリンス、洗えるリンス
 
トリートメント剤については、ほぼリンス剤と同じですので省略します。
44.頭皮の構造について教えて。
( 理容師の卵 )
 皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織(脂肪)の3つの層に分かれており、それに汗腺脂腺、毛髪、爪などの付属器官があります。普通皮膚の状態というのは以下にあげる表皮の角質層の状態を言います。
@ 表皮
 0.07〜2mmの厚みをもち、2つの異なった系列の細胞に分けられ、ケラチンをつくる系列のマルピギー細胞と、皮膚組織のメラニンをつくる系列の色素細胞があります。マルピギー細胞は表皮の95%を占め、表面から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の順になっています。
手掌、足底のみ角質層と顆粒層の間に淡明層(透明層)があります。
A 真皮
 表皮の数倍の厚みをもち、皮膚の大部分を形成しており、乳頭層、乳頭下層、網状層に区分され、網状層には横に長い、細い繊維が網目状にならんでいる結合線維(膠原線維)、弾力線維などからでき、皮膚に弾力を与えたり、機械的外力や化学的刺激などから身体内部を保護しています。ここには血管、リンパ管、神経、毛根、立毛筋、汗腺、脂腺などがあり、栄養、感覚、分泌などの働きをもっています。
B 皮下組織
 皮膚と筋肉、骨との間にある部分で、脂肪を多く含み、外力が直接及ばないようにクッションの役目をもち、また体内の熱が外界の温度変化に左右されないようにしたり、余分な栄養物質を脂肪として蓄える働きを持っています。
                                           (図を見たい場合はここをクリックして下さい
45.頭皮の質について教えて。
( 理容師の卵 )
 頭皮の表面は他の肌の状態と同じように、皮脂と汗の混じった脂肪膜が形成されていますが、皮脂の分泌が多くなってこの脂肪膜が厚くなればベタベタし、不足すればカサカサしてきます。これらの状態により普通肌(ノーマルスキン)、乾燥肌(ドライスキン)、脂性肌(オイリースキン)というように分けています。
 しかし同じ部位でも気候、環境、精神状態、睡眠、食事、年齢、手入れなどの状態により潤い、滑らかさ、張り、弾力、血色などは変化しています。
 シャンプーをして1日後、カサツキが感じられるようであれば乾性頭皮。ベットリとするようであれば脂性頭皮。これらの中間であれば普通というように分類し、さらにフケが目立ってくるようであればフケ症と言い、灰白色のフケがサラサラ落ちてくるようであれば乾性のフケ、湿ったフケでひっかくと爪にねばりついてくるような脂性のフケというように分類しています。でています。
 その他の分類としては硬い頭皮の場合石頭。軟らかくてブヨブヨしている頭皮をこんにゃく頭などと呼ぶこともあります。
 頭皮の状態をチェックするためには、マイクロスキャナーによる観察やスキンテスター、頭皮硬度計、皮膚温度計などで測定することが必要です。
 異常な脱毛が起こる場合、頭皮にも色々な症状が現れてきますが、どのような症状が現れたら脱毛開始のサインなのかをあげてみましょう。
 健康な頭皮は適度な潤いや滑らかさ、張り、弾力があり、血液循環が良い状態ですが、これらの状態が崩れると異常が起こってきます。
@ フケの異常発生
 正常な生理状態ではフケと脱毛の因果関係はありませんが、「フケは脱毛症の注意信号」と言われているように、フケの異常発生の場合は脱毛の前兆サインとなります。フケは単に不潔にしているからだけでなく、シャンプーの回数不足、物理的・化学的刺激、性ホルモンのアンバランス、貧血や胃腸障害、精神的疲労、炭水化物や脂肪の摂り過ぎによる代謝異常、ビタミンA、B2、B6不足、精神的不安定、アトピーやアレルギー、生活環境などにより異常に発生することがあります。
A 頭皮の突っ張り
 頭皮を摘んでみて、パンと張っていて摘めないような状態は、血行不良を起こしやすく、他の部分より髪の毛の生長が妨げられやすいといえます。
B 頭皮の黄褐色化
 日本人の場合は少し白っぽい状態が正常で、黄褐色や炎症が起きて赤みおびている部分は、皮膚の生理機能が低下しているため、髪の毛が細くなりやすい傾向があります。
C 反応性充血速度
 頭皮を指で強く数秒間押し、指を離したらすぐに赤っぽくなれば血液循環は良いと言えますが、白っぽい状態が長く続くようであれば、血液循環は良くないと言えます。
D 毛孔周辺の異常
 毛孔に皮脂が詰ってベタついたり、光っていたり、逆に乾燥してカサカサしたり、艶が無い状態は健康な頭皮とは言えません。スキャナーなどで観察し、毛孔から皮脂の固まりが出ていたり、毛髪の周りに皮脂がくっついているような場合は要注意です。
46.整髪料の分類とその効果について教えて。
( 理容師の卵 )
 料理でも器や盛りつけが変わるとおいしさが変わるように、ヘアスタイルも最後にスタイリング剤を使用してヘアに動きやボリューム、質感を与えることにより、まったくイメージが変わり、希望していたスタイルにもなり、全く異質のスタイルになってしまったり、新しい発見のあるスタイルになることもあります。
 従来からのポマード、リキッド、チックなどの粘性を利用して単にまとめたり、寝せるためのスタイリング剤から、ヘアに対する関心の高さとヘアスタイルの変化とともに、スタイリング剤もかなり変化し、ボリュームをつけたり、抑えたり、髪の質感を変えたり、保護機能を持たせたり・・というように、ヘアワックスやウオーターインジェルなどの新タイプのスタイリング剤が登場しています。
 これらのスタイリング剤の特徴を理解し、髪全体にはワックス、前髪の立ち上げにはミストというように使い分けたり、ジェルとスプレーを混ぜるなど、いろいろ工夫し、使いこなしていくことが必要です
 最新のスタイリング剤の特徴をあげてみましょう。
ムース
泡状なので液だれせず、髪になじみやすく、髪につけてから固まるまでに適度な時間があるので使い勝手は良い方です。仕上がり別にハード、ソフト、ウエットタイプや、髪に合わせたストレートタイプ、ウエーブタイプ、トリートメントタイプなど、たくさんの種類があります。仕上がりはスタイリング剤を使ったというような質感が出ないため、他のスタイリング剤とも混ぜて使うこともできます。
 ハードムースはいったん固まってしまうと、手ぐしやブラシは入れにくく、再セットもしずらくなりますので、スタイルが決まったその上から使用します。
 ソフトムースは髪に自然な流れをつけたり、ボリュームを求めるのに適した弱めのセット力をもち、ドライヤーの熱にも強くトリートメント効果や潤いもあります。
ストレートムースは髪に水分を補給したり、クセ毛軟化成分や髪の表面をコートする成分を配合してあるものや、使い続けることにより髪の結合を変化させてストレートに近づけていくものなどがあります。
(スタイリングムース、スタイリングフォーム、セッティングフォーム、ストレートフォーム、モイストヘアフォームなど)
 
ジェル
かっちり固まるハードタイプ、濡れたようなツヤを出すウエットタイプがあります。手の平で良く温め柔らかくしてから使うか、髪全体を水スプレーで湿らせると髪へのなじみも良いです。水分を多く含み、スタイリング剤自体に重みがあるのでタイトにまとめるときに使いやすいです。ロングヘアではブローによる乾きが遅く、完全には乾かないためボリュームや立ち上がりをつけるには向きません。質感が強調され、立ち上がりをつけたり、ボリュームダウンに使うのでショートヘアにおすすめです。
(ヘアジェル、ヘアメイクリキッドジェル、ハードホールドジェル、スタイリングジェル、ウエットジェル、ボイントアクセントジェル、ウオーターグロス、ジェルウオーター、ウオーターヘアゼリー、ジェル&ウオーターなど)
 
ヘアワックス
ムースやジェル、ミストなどが、糊のようなもので髪をがっちり固めるのに対し、ワックスは植物性ファイバー(繊維・粘りは糸を引いて伸びる)の粘性でヘアスタイルをキープするものがトレンドです。使い方も簡単で、繊維のおかげでスタイルの持ちも良く、動きのあるスタイルをつくることができます。
(ヘアステッキー、ヘアワックス、フィックス、ミルクワックス、デザインワックスなど)
 
クリーム
セット力よりも髪に潤いとツヤを与えたい人向き。ボリュームダウンの効果があるので固めてピタッと決めたい時に用います。
(ヘアクリーム、フィンガーアレンジクリーム、ヘアクリームフォーム、ヘアウオーターミルク、ミルキィウオーター、スタイリングヘアクリームなど)
 
ローション
ブロー前に使って髪の傷みを防ぐブローローションとセットローションの2タイプがあります。前者はほとんどセット力はなく、髪に直接スプレーするタイプで水感覚で使いやすく、寝グセを直したり、ドライヤーによる乾燥を防止し、潤いのある髪にします。セットローションはブローローションとミストの中間のセット力を持ち、他のスタイリング剤に比べると水ベースなのでベトつきがないのでセット力は強くなく、しなやかな毛流れをつくるのでナチュラルな仕上がりになります。ブローせずに寝グセからスタイリングまで簡単に仕上げることができます。
(髪の天然水、スタイリングウオーター、パワーウオーター、ヘアトリートメントウオーター、ポイントセットウオーター、ウオーターインスプレーなど)
 
スプレー
セットスプレーとツヤ出し効果のあるブラッシングスプレー、髪の色を変化させるカラースプレーなどに分けられます。スタイリングに使うのはセットスプレー。セット後の仕上げに吹き付けることでヘアスタイルを固定するネットスプレーで、ハードに固まるものが多いが、ナチュラルに仕上がるものもあります。最近はワックスをスプレー化したスプレーワックスもあります。
(ハードスプレー、スタイル&フィニッシュ、ヘアスプレーナチュラルセット、スタイリングスプレー、スーパースタイルキープ、トリートメントフィニッシングなど)
 
ミスト
ポンプタイプで見た目はローションと同じです。強力に固めるタイプをミストと呼んで区別しています。速乾性タイプが多いので髪の立ち上がりやサイドの流しなどをブローした後、すぐに使用してスタイルをかっちり固めるのに用います。
(ポイントセットミスト、ホールドアップ、ポイントアクセントミスト、ポイントきめるミストなど)
 
ヘアウオーター
ここ数年各社から発売されるようになったウオーターベースの製品で、ウオータージェル、ウエットジェルなどがあります。従来のジェルががっちり固まってしまい手グシがいれられなくなったり、ゴワつき感があったのに対し、水ベースなのでしなやかさやしっとり感がでます。寝グセやパサつきをおさえるタイプ、瞬間ギメでスタイルの持続性があるタイプ、ルーズな仕上がりタイプなど、いろいろあり、サラッとしたスタイリングウオータなら、あらかじめ髪を濡らしておく手間が省けます。
(ヘアワックスウオーター、デザイニングローション、ウオーターヘアジェル、スタイリングウオーター、ヘアクリームウオーターなど)
47.パーマ液の種類と料金の関係、パーマネント・ウエーブ用剤の種類について教えて。
( ??? )
 市場には色々なパーマネント・ウエーブ用剤(ウエーブ剤、縮毛矯正剤)が発売されています。プロとしてはこれらのウエーブ形成力や縮毛矯正効果などの特徴を理解したうえで、髪質に合ったパーマ剤を使用することをつとめています。
 髪質に合わない薬剤を使用したり、技術ミスなどがあると目的のウエーブや美しい仕上がりが求められないばかりでなく、時には頭毛を傷めてしまったり、断毛事故などを引き起こすこともあります。
 平成5年2月に約40年間続いていた「パーマネント・ウエーブ用剤基準」が廃止され、新しく「パーマネント・ウエーブ用剤製造(輸入)承認基準」が厚生省薬務局長の通知として定められ、旧基準の7種類から新しい品質規格に変更され、8種類に分類され、その後1999年5月に高温整髪用アイロンを用いて行う縮毛矯正剤も承認され、6月より適用され、現在では次の10種類に分類されています。
@ チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とするコールド二浴式パーマネントウエーブ用剤。
 市販されているパーマ剤のほとんどを占め、通常コールドと呼ばれる製品で、酸性のものからアルカリ性のものまであります。1、2剤ともに室温(規定では1〜30度Cの範囲)で用いられ、pHやチオグリコール酸の濃度により強力(ハード)タイプから弱(ソフト)タイプなどがあります。
 チオグリコール酸アンモニウム液が最も広く用いられていますが、臭いを気にする人のためにチオグリコール酸モノエタノールアミンが用いられ、無臭パーマとして使用されています。チオグリコール酸の濃度の上限は7%から11%へと拡大され、7%を越える場合は、超過分に対し反応調整剤としてジチオジグリコール酸を同量以上か、4.0%以下配合することとなっています。
 チオグリコール酸系パーマ剤にシスティンを配合することも可能で、有効成分としてではなく、湿潤剤としてシステイン1.5%以下と規定されています。
A システイン、システインの塩類またはアセチルシステインを有効成分とするコールド二浴式パーマネントウエーブ用剤。
 日本独自の製品で、通常システインパーマ、シスパーマと呼ばれるアルカリ性の製品です。有効成分であるシステインが毛髪に取り込まれることと、毛髪内蛋白質の流出が少ないので、ウエーブの仕上がりが自然で、感触に優れているので、損傷毛に適します。
 チオグリコール酸系パーマ剤に比較すると不安定なことと高価な点が欠点ですが、チオグリコール酸を配合することにより安定性を高めています。この場合、上限量は1.0%までとなっています。
B チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とする加温二浴式パーマネント・ウエーブ用剤。
 この製品は基本的には@と同様酸性からアルカリ性のものまであります。施術時にスチーマーや遠赤外線などの加温機器を使用して薬剤の作用力を高めることができるので、有効成分のチオグリコール酸の量やpH、アルカリの量などは、コールド式に比較して低めに設定されています。1剤のみ加温するものと、1、2剤ともに加温するものがあります。加温温度は60゚C以下の規定があります。加温式酸性パーマ剤、アイロンパーマ剤などがあります。
C システィン、システィンの塩類またはアセチルシスティンを有効成分とする加温二浴式パーマネント・ウエーブ用剤
 この製品はAのウエーブ形成力の弱さを、加温操作を行うことにより効果を高めることができるもので、加温式シスパーマと呼ばれる製品である。アルカリ性から酸性まで許可されているので、従来以上に硬毛から損傷毛までその対象毛の幅を広げることができる。
D チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とするコールド一浴式パーマネントウエーブ用剤。
 この製品は1剤によって還元された頭毛の酸化を、空気中の酸素により徐々に行い、2剤は使用しない製品で、チオグリコール酸濃度、pH、アルカリなどの規格幅が狭くなっています。ウエーブ形成力は弱めになりますので、細目のロッドを使用します。この製品は加温は認められていません。
E チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とする第1剤用時調整発熱二浴式パーマネントウエーブ用剤
 この製品は1剤が2種類あり、チオグリコール酸8〜19%配合された還元剤の1剤の(1)と、過酸化水素水を配合した酸化剤の1剤の(2)を、使用の直前に混合して使用します。この直前に混合することから「用時調整」という言葉が、還元剤と酸化剤が反応(酸化還元反応)を起こし、その時発熱するため「発熱式」という言葉が生まれ、これらを合わせて「用時調整発熱式」と呼ばれています。このパーマ剤の特徴は、混合時の発熱を利用してウエーブ形成力のアップを図ることと、自ら発熱することによりかかり過ぎを抑えるというもので、日本では1985年以降、製造が認められたものです。
 薬剤を用いないで水で濡らした頭毛を水巻き法でワインディングし、巻き終わってから還元剤の(1)と(2)を塗布直前に混合して使用します。頭皮に流さないことと、塗布ムラにならないように塗布することが大切です。混合液はpHが4.5〜9.4と少し規格の範囲がせばまりますが、他の基準は@と同じです。なお、混合しないで使用してはならないことになっています。
F チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とするコールド二浴式縮毛矯正剤。
 この製品は基本的には@と同じで、「縮毛を伸ばす」、「ウエーブ毛を伸ばす」というもので、液垂れを防ぐために粘性をもたせています。パネルと称される板などの使用は認められていません。
G チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とする加温二浴式縮毛矯正剤。
 この製品は基本的にはBと同じで、「縮毛を伸ばす」、「ウエーブ毛を伸ばす」というもので、液垂れを防ぐために粘性をもたせています。低温アイロンを使用して伸ばす場合などに使用されます。
H チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とし、高温整髪用アイロンを使用する加温二浴式縮毛矯正剤。
 この製品は使用時に約60℃以下に加温して第1剤処理後に、第1剤を水で十分に洗い流し、水分をふき取ってから180℃以下の高温整髪用アイロンを使用する操作を含めて用いられます。
I チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とし、高温整髪用アイロンを使用するコールド二浴式縮毛矯正剤。
 この製品は基本的にはFと同じで、第1剤処理後に、第1剤を水で十分に洗い流し、水分をふき取ってから180℃以下の高温整髪用アイロンを使用する操作を含めて用いられます。
 パーマネント・ウエーブ用剤は、多様な頭毛の状態に対応できるよう、効能・効果、有効成分、浴式、操作温度の組合せにより現在では上記のように10種類に分類されていますが、頭毛の状態の方は10種類という程単純なものではありません。人の顔がそれぞれ微妙に違うように、十人十髪で色々な頭毛の状態があり、たとえ同じパーマネント・ウエーブ用剤を使ったとしても、かかり方は微妙に変化してきます。
 いろいろあるパーマネント・ウエーブ用剤も、第1剤のpHには幅があり、酸性、中性、アルカリ性の変化を加えると第1剤だけでも20種類以上になってきます。
 2剤は新規格では同一規格となり、一浴式を除くすべての1剤に共通する2剤が使用できるようになりましたので、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、過ホウ酸ナトリウムを主剤とするものと、過酸化水素水を主剤にする第2剤というように4種類ありますので、それぞれ組合わせてみますと76種類に分類でき、さらには添加剤の変化により、無数のパーマ剤が市場に登場しています。
 薬剤の強弱は、第1剤のチオグリコール酸やシステインの種類と量、アルカリの質と量、pHの高低、オイル分などのトリートメント成分の質と量、などそれぞれの条件によりウエーブの効果は変わってきます。さらに頭毛の状態やプレトリートメント剤、温度、時間、ワインディング時のテンション、2剤の種類や量、温度、時間などの行程管理技術の良否によりかかり具合いは微妙に変化してきます。
 
 パーマ液と料金の関係ですが、薬剤の値段は普通1人分で数百円位から1500円位のものが使用されています。パーマ料金は薬の値段だけで決まるものでなく、サロンの立地条件、サロンのムード、スタイルの違い、技術の難易などに所用時間などをプラスして各サロンが独自に決めています。
 単純に薬剤の価格でパーマ料金が決まるものではなく、これは市販のお酒を自宅で飲むのと赤提灯やバーや高級クラブなどで飲むのがそれぞれ違うように、付加価値により変わるのと同じような部分もあるものと思います。

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