実践クリニック

第2回 洗髪と脱毛の関係は?

実践クリニックは本来プロの方が勉強されるべき内容を載せています。

本当にシャンプーは薄毛とは無関係なのでしょうか?

先日あるところで「男性のハゲは、ほとんど男性ホルモンが要因になっているので、皮膚炎でも起こしてない限りは抜けたりもしないし、どんなに洗わなくて毛穴が汚れようが詰まろうが、それで薄くなったりハゲることはない」と言われました。
本当にシャンプーは薄毛とは無関係なのでしょうか?
東京都 M・K朗22歳

毛穴周辺の過剰な皮脂

毛穴周辺の過剰な皮脂毛穴周辺の過剰な皮脂は、酸化されるとトラブルを起こすだけでなく、育毛剤の吸収も妨げます。

ヘアケアは「洗髪に始まって洗髪に終わる」

男性型脱毛は主に男性ホルモンが影響し、その感受性などが関係しますが、脱毛の誘因は男性ホルモンだけではありませんので薄毛・ハゲの進行スピードなどにシャンプーも関係してきます。

ヘアケアは「洗髪に始まって洗髪に終わる」と言われるようにシャンプーは大切なことで、髪や頭皮が汚れていると、ヘアスタイルがまとめにくくなるだけでなく、フケやカユミ、炎症などを引き起こしやすくなります。

私たちの体からは内因性の汚れとなる皮脂や汗、フケなどが分泌されており、ベタつきを起こす皮脂は脂腺の細胞が脂肪化してできたもので、本来は皮膚の温度では透明な液状をしているのですが、毛包内を通過する時バクテリアにより分解され、また毛包内の角質細胞と混じってチーズ状の塊になって分泌されてきます。

特に頭皮は皮脂腺が発達しているため過剰に分泌されるようになると、毛穴周辺に脂栓となって溜まりやすく、酸化すると過酸化脂質となってトラブルを引き起こしやすくなってきます。

皮脂が脱毛に関係するという最近の研究では『第56回 日本化粧品技術者会(SCCJ)研究討論会』でライオン株式会社・ビューティケア研究所および生物科学センターが、男性型脱毛を促進するメカニズムのうち、 頭皮から分泌される皮脂が脱毛を起こす作用に着目し、皮脂と脱毛との関係について「皮脂が酸化されて生じた過酸化物質が、脱毛を促進することを世界で初めて組織学的に確認することに成功した。」と発表していますように、過剰な皮脂が脱毛を引き起こすことが証明されています

また頭部は髪があることから汗で蒸れやすく、過剰な汗は頭皮をアルカリ性にし、皮脂膜の働きを弱め、雑菌の侵入を助け、フケが発生しやすくなり、頭皮環境を悪化させやすくなります。

さらに頭は体の中で一番汚れやすい部位で、外因性の汚れとして空気中の埃や排気ガス、油煙、砂埃、綿埃などとともに空気中に浮遊している雑菌やカビ類、紫外線の影響や日常使用している頭髪用化粧品類、ブラシ、櫛などにより汚れやすくなっています。

シャンプーは、頭皮、毛髪の汚れを落とし、清潔で美しくするとともに、快感とリラクセーション効果が得られ、血液循環を良くし、頭皮の生理機能をたかめ、毛髪の健全な発育を促すなどの効果があるのです。

だからと言って洗い過ぎたり、頭皮に合わないシャンプー剤を頻繁に使用すると、それが原因で頭皮を荒らし、結果として抜け毛が増えることがあります。

「健康な髪は健康な頭皮から生まれます。」積もりに積もった皮脂やフケは、薄毛や脱毛の誘因のひとつになると心得て、毎日のケアで健康な頭皮にしておくことが大切です。

(全理連中央名誉講師・板羽忠徳)

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